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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
94/130

<3>~救出者達、その裏側。~ (染山&十島編、1)

 赤井がトラックで運ばれて“創造主”の居るビルに到着した頃。


「しかし、あれは……」

「あそこまでする人たちなのかな」

 染山と十島はさっきみた映像が頭から離れなかった。


 さっき見た映像とは、そこにいた人々がまとめて切り刻まれていて、あたり一面が血の海、血溜まりと化していたものである。


「酷かったじゃん。黒服を着た奴らはこんなことをするじゃんか?」

「あれはー、って、前から誰か来るよ?」

 二人があの場を早急に立ち去っていると、前から一人ふらふらとこっちに歩いてきた。


「黒服?」

 その人は黒いスーツを身に纏っていた。

 黒服の戦闘員だろうか。

 そう思い警戒を強める。


「待て!! 警戒しなくてもいい!! 私の話を聞いてくれないか!!」

 その黒服は両手を挙げて敵意が無いことを伝えてきた。

「どうするー?」

「まだ警戒は解くな」

 染山と十島はまだ険しい顔をする。


 その黒服は走ってこっちへと向かってくる。

「君達赤井君の仲間だよね!! 写真で見せられたんだ!! 赤井君、そして君の友達が捕まえられたんだ!!」

「何?」

「嘘はついてないー、よー」

「お願いがあるんだ!! これから赤井君達を助けに行こうと思うんだが、手伝ってくれないか!!」

 どういう魂胆だろうか?

 罠か?

「君達が僕を疑うのも無理は無い。でも、僕はもう“統一された幸福な世界オールワン・ハッピーワールド”、黒服たちを裏切ってきているんだ!!」

「十島、これは?」

「嘘はついてないー」

「君達の才能も教えてもらっている。“体温自在(カロリーコントロール)”の染山君、“(センス)”の十島君だろ? それを見込んでの話なんだ、信じてくれ」

 どうやらこの黒服は俺達のことを知っているようだ。

 十島の“閃”の的中率は99%だから、信用は出来るのだろう。


「じゃあ、信じる。話ってのは、どういうことじゃん?」

「君達に赤井君達の救出を手伝って欲しい。今からそのアジトに向かおうと思うんだ」

「どうやってー?」

「私の才能は“瞬間移動”。それで今から君達を飛ばす。地下駐車場みたいなところに着くから、そこから通路に入ってくれ」

「変なところに飛ばすなよ?」

「当たり前だ!! 嘘はつかん。なんなら十島君に聞いてくれて構わん」

「十島」

「嘘はついてない」

「なら話を続ける。通路に入ったら、すぐに右の壁を溶かしてくれ」

「どういうことだ?」

「そこが隠し通路になっている。その先に隠しのエレベーターがあるから、それに乗ってB4まで降りてくれ。その先には道が広がっているから、そのまままっすぐ進んでくれ。そうすれば捕虜室が見えてくるはずだ」

「一切の嘘なし。この人は本当に助けて欲しいみたいだよー」

「分かった。そこまで情報を教えてくれたのなら、協力しよう」

 染山はそこで黒服と握手をした。


「じゃあ行くぞ」

 黒服が二人の手を掴んで目をつぶった。


 ジェットコースターで感じるような無重力を一瞬感じたかと思うと、目の前の景色が切り替わった。


「さて、この下だ。私は少し他の仕事がある。君達がここに入るのをごまかす、な」

「そうか、頑張るじゃん」「頑張れー」

「お前達もな」

 そうして二人は黒服と別れた。


「ハッ」

 染山と十島と分かれた黒服の男はある程度その場から離れると、


「ハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 狂ったように笑い出した。


「確かに嘘はついて無いけどよ」

 愉悦に顔を歪める。


「だからってお前達の仲間になったわけじゃねぇだろうに」

 誰に向かってでもなく、喋る。


「わざわざ死地に出向くような奴らとはな。まあいい。これで役者は全員揃った。後はどうなるか」

 その男は特にあても無く歩く。


「俺としては最悪の終焉(バッドエンド)を望むわけだが、がいるならば仕方がない。俺の“忘れ者(フォーゲッター)”も、どうせ赤井が消し去るだろうしな。こうなったら、あの男がどこまで最悪(ワースト)最高(ベスト)へと塗り替えるのか、調査するのも悪くない」

 どうやらこの男は赤井を知っているようだ。


「面白くなってきやがった」

 そう言った瞬間、場からその男が消えた。

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