<2>~俺達と黒服との戦い。~ (回転VS創造)
これから先、更新が遅れることがあると思います。
ごめんなさい。
「大丈夫なんですか? 太陽さん」
「ちょっとこの先戦うのはきつそうだな」
「はい、これハンカチ」
祈から手渡されたハンカチをビリビリと裂き、右の太もも辺りをきつく縛る。
「“恋”さん、大丈夫なんですか? あーあー、“DBY”もこんなボロボロになっちゃって」
「どうして、あなたは怪我一つしていないのですか?」
「戦う気が失せた。負ける戦はしないのが私の主義。ほら、さっさと止血処置だけはしておきますよ」
「分かったわ。――――――、っ痛!」
「我慢するんです。これやっとかないと死ぬかもしれませんよ?」
“恋”の手当ては“DAT”がしていた。
紅いネクタイを外してきつく結ぶ。
その時だった。
チンと安っぽい音が鳴った。
「さて、こちらはどうなっているかな?」
「俺達が出るってこと=死なんだけどな」
真ん中を通っていたエレベーターが開き、中から二人の男が現れた。
「なっ!!」
「遂に、本気出したのかしら? “創造主”」
“恋”と“DAT”がその面子を見て驚愕している。
「あらら、“恋”。やられちまってるじゃねぇか」
「うるさいわね。さっさと倒しなさいよ。“痛”」
その二人とは、“創造主”と“痛”だった。
「そういえば、“鳥”はどこに行った?」
「そこに……? あれ? 先ほどまでいたはずなのですが」
“創造主”があたりを見渡して仲間を探していた。
「“鳥”、逃げたか。まあいい。さてお前達、相手をしよう」
「言っとくけど、俺と戦う=敗北ってことは悟っとけよ?」
“創造主”は極めて落ち着いて、“痛”は挑発するように言う。
「“痛”……、やばいよ、お姉ちゃん」
「赤井君がいないこの状況、最悪だわね」
「こいつが“痛”。お前達が言ってたやばい奴か。いや、そんなことよりも、だな。“創造”」
廻家は“創造主”に歩いて詰め寄る。
「その名前はもうとっくに捨てている。今は“創造主”だ」
「お前、あの事件から変わっちまったな」
「黙れ。――――、“痛”、こいつは俺がやる。他の奴らの相手を頼む」
「ほいほい。とはいえ、全員やられてるしな、骨の無い仕事だな」
そうして廻家と“創造主”が歩いて右の端のほうへ行く。
「ほら、さっさとやるぞ。“回転”」
「成程な。昔のあだ名なんて、言われても嬉しくないな」
“回転”もとい廻家は、はぁ……と手を横に振る。
「ここでさっさと倒しておくか」
右手を廻家に向ける。
「正直、勝てる気がしないな。最強の四天王、“4C”に、俺が挑んでるなんて」
「その話をするな」
「そうかよ、過去をうじうじと引っ張ってる馬鹿野郎が」
廻家はそこで言葉を切ると、両手を前に突き出す構えにした。
「全てを回せ」
ヒュウと風の音が鳴り出す。
「お前の才能で俺に勝てると思ってるのか?」
「ま、多分無理だろうな」
だんだん廻家からゴォォと響くような音に変わる。
「創造:爆風」
ゴッと“創造主”の右手辺りから音が鳴り巻き風が吹く。
「おらっ!!」
ゴッと廻家からも両手辺りから音が鳴り巻き風が吹く。
その風は真ん中で衝突すると、消えてなくなる。
「お前の力でやろうとすることなど、簡単に真似できる。武器はどうした?」
「お前の作戦が思いのほか朝早くにやられたもんで、家に忘れちまった」
「そうか、なら俺が確実に――――――――、勝つ」
言葉を途中で区切り、右腕を後ろに回し左腕を腰辺りで少し曲げて構えた。
瞬間、凄い速さで“創造主”が廻家に迫る。
足腰は全く動いていなかったにも関わらず、だった。
それに対応しきれず、思い切り顔面を廻家は“創造主”に殴られる。
そのまま吹っ飛ばされ、地面に倒れこむ。
「か、ったくよぉ。それ、強すぎだろ。“消し去る砲弾”」
「俺の力を差し引いても、弱すぎるな。鈍ったか?」
「さっきお前の仲間に散々殴られてな。それより、殺すのか?」
“創造主”は吹っ飛ばされた廻家に馬乗りになっていた。
そして、頭に右手を当てられる。
「俺は、アイツと同じようなことをするつもりは無い。ただ、しばらくは黙っていてくれ」
“創造主”は廻家の手に手錠を掛けた。




