表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
83/130

<1>~すべての人物が集結する。誰かが仕組んだことなのか。~ (4)

「重力か。なら、こうさせてもらうか」

 桜は磔のままそう言うと、クッと力を入れると壁に対して垂直に立った。


「嘘っ!? 今あなたたちには身体中に1.5倍の重力がかかっているのよ!? 体重の半分の重りがついているのと同義なのに!?」

 “月”の顔が驚きに染まる。

「この程度、へでもないっつうの」

 桜はそのまま円柱状になっている壁を走り出した。

 すると、あるところを境にしていきなり重力が元に戻った。

 桜は重力の位置が九十度変わってバランスを崩しかけるが、片手を地面についてから見事に着地する。


「もうっ!! 面倒くさいな!!」

 そういらいらした口調で“月”は叫ぶと太陽達にもかけていた重力を外した。

 磔がとかれて自由になる。


「どうして解いたんだ……?」

「まだ、手はあるってことかしら」

 なんにしろ警戒は解かない。


「本当はああやってして時間を稼ぐつもりだったんだよ? でもこうなったら、私の奥の手で戦ってあげる。さあ、来なよ」

 自信満々に“月”は平らな胸を張った。


「とりあえず、行かせてもらうね♪」

 戦闘で一番怖いものはそれを楽しんでいるもの。

 叶の口調はそれに近かった。


 叶はダッシュで“月”のところまで行き、その勢いそのままに掌底を打ち込もうとしていた。


「あ、あれ?」

 だが、異変が起きた。

 叶の掌底が、“月”に触れるぎりぎりのところで止まっている。

 そして、バチンとはじき飛ばされた。 


「よく考えたら、最初からこれでいけばよかったのかも知れないね?」

 “月”は無邪気に顔を傾ける。


「斥力」

高原はふと呟いた。


「なんだそりゃ?」

桜が聞く。


「斥力っていうのは、簡単に言うならはじき返す力。磁石の同じ極同士をあわせようとすると反発するじゃないですか。あれと同じだと考えてもらえれば結構ですね」

 高原は饒舌に語る。

「彼女は自分から言いましたからね」

“私の才能は重力、引力、斥力を操るの”

「あ、そんなこと言っちゃったかも?」

 “月”は慌てて口を押さえている。


「さて、俺も才能を使わせてもらいますかね。“観測者(オブサーバー)”、“個人観察モード”」

 高原はじっと“月”を見つめ始めた。


「他の方はどうぞご勝手に戦うなり話すなりしてください。その間に弱点でも見つけます」

 高原は何事も無いように話した。


「どうしてそんな風に軽い気持ちでいられるのかなー?」

 “月”がこちら、高原に手を向ける。

「おぉ!?」

 その瞬間、グッと高原が“月”に吸い寄せられた。

「私は引力だって使えるんだよー?」

「引き寄せる力……、しくじった!!」

「何やってんだよ生徒会長さんよ!」

 太陽は拳銃を向ける。


「駄目! 斥力がアイツには働いているのよ! もしも跳弾が来たらどうするのよ!」

 祈がそれを慌てて止める。

「でもよ!?」

「大丈夫。私の見た未来(・ ・ ・ ・)じゃあ、彼は助かる」

「……お前の“未来視”か」

「私のはそこまで強い力は無いけど。劣化版に近いのよ? まあ見てなさい。彼は伊達や酔狂で名門間之崎の生徒会長をやっていないわ」

 その祈の言葉は、迫力に満ちていた。


「私は随分と腕とかひ弱だけどー」

 “月”が高原に向けていない方の腕を見せる。

 その肌はとても白く輝いていた。

「重力を操るってことは、重さを操るってこと。攻撃って言うのはー」

 高原がもう“月”の目と鼻の先まで近づく。


「重さと速さで威力が決まるんだよ!!」

 “月”は白い腕のほうを思い切り振りかぶり、引き寄せられていた高原に思い切り殴りかかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ