<1>~すべての人物が集結する。誰かが仕組んだことなのか。~ (3)
。
「まさか天音君があの最強の才能変異系だとは」
「実は俺一度変異系と戦ったことがあってな。炎の男だった。そんときは絶対に喧嘩を売らないようにしようと思ったな、愛剣も溶かされたし」
「へぇ……、太陽さんは無才能なのにあの変異系とも戦ったことがあるんですね」
「おうよ。こう見えても“才能分析者”とは伊達に言われてないってことさ」
「そんな風に呼ばれているんですね……」
“雷”にB1Fを任せ、七人は階段を下っていた。
そしてB2F。
そこもB1Fと同じようにホールになっていて、真ん中には円柱の柱が。
それはきっとエレベーターなのだろう。
「もう嫌な予感しかしないんだが」
太陽がそう愚痴をこぼすと、エレベーターがチンとなり、ドアが開いた。
「あれあれ、この人たちを倒せばいいってことなのかなー?」
そこから出てきたのはまだあどけなさの残る少女だった。少女は黒を基調としたフリフリのついた服。いわゆるゴスロリというものなのだろう。
「またこの展開か……」
桜も呟く。
「皆さんとは初対面だから自己紹介させてもらうね? 私は“花鳥風月”の“月”。“創造主”の命令で時間を稼げって言われてるから、足止めさせてもらうね?」
やはり、少女は敵らしい。
「どうするよ?」
「少年漫画的展開を所望するなら、誰かが一人残るって展開なんだろうけどよ」
桜の問いに太陽が答え、スッと指を指す。
その方向を見ると、“月”は向こう側にある降りる階段を守るように立っていた。
「ありゃ一人残したとしても行かせてくれそうにないぜ?」
「大体、なんでこんな構造になってるんだよ。普通に考えて有り得ないだろ」
「それは、この道自体がブラフだからだよ?」
高原が構造自体に疑問を抱くと、“月”が答えてくれた。
「今あなたたちが通ってる道は侵入者用の通路。本来はこのエレベーターから地下に向かうか、隠し通路で行くから、ここはひたすら時間稼ぎと倒すための道になってるの。元々、地下は幹部以外はほとんど来ないんだよね。ほとんどの職員は上のビルの方にいるから」
「それ、最悪のパターンだな……。上のビルこそブラフじゃなく本物だったってことか。でもよ、そんなことを俺達に言ってもいいのか?」
「だってあなたたちはここで倒すから?」
「その言葉自体はいいと思うがな、?は外した方が良いぜ」
そのときエレベーターがチンとなり閉じ、今まで来ていた階段が上がり閉じてしまった。
「戻れないってシステムか……」
「女とかとは戦いたくないんだよねー」
そういう桜はこんな状況でも落ち着いていた。
「じゃあ、私の力を見せてあげるね?」
“月”は手をこちらに向けた。
「!?」
グッと急に身体が磁石に引き寄せられるように。
全員が周りの壁に磔にさせられた。
「こいつは前に感じたことがある……、重力か!?」
太陽は“才能分析者”らしく、その才能の正体をすぐに見破った。
「そうだねー。私の才能は重力、引力、斥力を操るの。“言う事を聞きなさい”って言うんだよ?」
「そいつは……、この面子じゃきびしそうだな……」
太陽は壁に磔にされながら忌々しげに呟いた。




