<1>~すべての人物が集結する。誰かが仕組んだことなのか。~ (1)
これは時間的には四章の『<4>~都市”、乱れに乱れり。~ (1)』の赤井と“創造主”の話の後となっております。
11:00、とあるビル内。
赤井と“創造主”はあるホールで話していた。
「お前には……、そうだな、“消”って名前をつけてやろうか?」
「……っち……」
赤井は舌打ちした。
空白の時間が続く。
「“創造主”、侵入者です!!」
その声は空白を塗りつぶすように、女の子の大きな声がホールに響き渡った。
「それはあいつらが何とかしてるんじゃないのか!? “花”!」
“創造主”が少し動揺している。
「それが破られたみたいで、今B1の地下駐車場近くの通路を驀進しています!!」
正直、この赤井を連れてきたトラックをすごい速度で追いかけてきている二台の車があるのは“花”の報告で知っていた。
だからこそ逃げ場の無い駐車場で大量の兵を使って捕まえる予定だったのだ。
「侵入者は合わせて十人です!!」
「名前が分かるものは!?」
「……これは!? 赤井太陽に富士姉妹、イレギュラーの紅桜にあの高原衣と風紀委員長、それに廻家です!!」
「嘘だろ……、捕まらなかった面倒な奴らが集結してここに来てやがんのか……」
“創造主”は頭を抱えた。
「あーあ。残念だったな“創造主”さんよぉ」
赤井はここぞとばかりに言う。
「捕まってるやつの態度かよそれ……。そういうところが卓越してるっつーか、達観してるって言ってるのに。というか、侵入者は十人だったな。その報告だと七人だぞ」
「後三人は飛び込みのように入ってきました。地下の入り口を閉じていなかったのが原因です。三人とも間之崎の制服を着ています。赤井の仲間……です! 一人は地下駐車場から扉に入りました。後の二人は今歩いて駐車場に入ってきました」
「俺の仲間!?」
その言葉に反応したのは赤井の方だった。
「成程、名前は?」
「二人組は染山紫瀬と十島茶仁、一人で居るのは天音……雷綱? です」
「待て、どうして?が付いた」
「いや、体中から電気をビリビリだしながら高笑いするような報告は聞いてないんですが」
「「そんなことしてるのか!?」」
“花”の報告に赤井と“創造主”は両方驚いた。
天音はそんなことをするようなキャラじゃなかった筈だ。
「こうなったら、“五日間”と“花鳥風月”、“痛”、“恋”を全員呼び戻すか。輝と鳳凰院、間之崎は動かないようだからな。“花”、通達を頼む」
「分かりました!」
慌しくなってきた。
どうやら全面戦争になりそうだ。




