<3>~“都市”、いたるところで戦闘開始。~ (0)
さて、行動でも開始するか。
まずは“花”の音声受信機つきカメラが邪魔なんだよな。
ま、それは何とかなるかな。
さて、この作戦『ハッピーエンド』をかき乱すときがやってきたわけだ。
それを“創造主”が知っている人間の方でやるべきなのか、謎の敵とするか。
結局まだ決めていなかったな。
とりあえず、“創造主”の仲間としての俺は死ぬわけなんだがな。
10:10、とある場所。
「“創造主”、“tomorrow”から緊急入電が入っています! 至急応援を頼むと!!」
「それはどういう意味だ!? あの“tomorrow”がそう簡単に助けを求めてくるとは思えないぞ!!映像は出せるか!?」
そこは“創造主”の本拠地でもある大きなホールだった。
そこで“花”と“創造主”が話し合っていた。
「カメラの映像が何故か真っ赤で見えません! 音声のみの通信となります!!」
「それでもかまわない!! 早く出してくれ!!」
緊急入電ということは、どうやら“tomorrow”が危機に陥っているようだ。
そこで、ホールにあった大きなモニターが真っ赤に光り、向こうから“tomorrow”の悲痛な声が聞こえてきた。
「“創造主”!! 何なんだよあいつはよ!! 俺は聞いて無いっての!!」
「どうした、何があった!!」
向こうの方では何か大変なことが起きているようだ。
「ああ、なんか……ってもう来やがった!! 至急救援を頼む!! な、何だお前!」
「おいっ! どうした!!」
「うわっやめ」
ザーザー。
そこで音声が途切れた。
「“花”、今までの“tomorrow”の場所を映した映像を出せ!!」
「了解です!!」
“花”がそう叫ぶと、大きなモニターに映像が映された。
10:05、とある某所。
「おい、そこのお前。止まれ」
“tomorrow”と離れている黒服が何者かを発見した。
ここは“創造主”の放送終了後の一般人拘束集合地。
今でも色々な人々が手錠に拘束されている。
そこで、こちらに向かってくる人影を大きな円の外側にいた黒服が発見したのだ。
その男は無言でこちらに迫ってくる。
「おい!! それ以上近づけば撃つぞ!!」
黒服は銃を相手に向けて構えながら威嚇する。
その人影はその瞬間銃を構えた黒服の目の前まで現れると、
ボトリ。
その人影が黒服の首に綺麗に線ができたように見えたかと思うと、黒服の首が落ちた。
そして首からは噴水のように血が噴き出した。
きゃあぁあぁ、と周りの一般人が叫ぶ。
「なっ! 手前何しやがってるんだよ!!」
“tomorrow”が前面に出る。
そのせいで映像の一部が隠れ、肝心の近づいてきた人影の顔は見えなくなった。
周りの黒服たちもその男に銃を向けて撃とうとした。
だが、人影はまたも無言で銃を向けた黒服の一人に近づくと、今度はその黒服の右手首がスパンと後ろに飛んだ。
そこで人影の動きは止まらず、右手首が飛んだことに恐れおののいている黒服の残った右腕を掴むと、“tomorrow”のいる方である円の中心へと放り投げた。
黒服の右手首から出る吹き荒れた血のせいでカメラが汚れ、全く映像が見えなくなってしまった。
「これが一部始終だと!? 訳が分からん!! とにかくこの場に人を向かわせろ!! 近いのは誰だ!!」
非常に“創造主”もこの事態には焦っていた。
本当にこの事態は謎だ。
いきなり俺達に向かって切り裂いてくるような殺人狂は調べたところいなかったはずだ。
「“DAT”と“月”のチームです!!」
「じゃあその二人にカメラを持たせて急ぎその場に向かうよう伝えてくれ!!」
「わかりました。……“DAT”さん、“月”さん、今すぐ“tomorrow”さんが管轄だったポイントDへと向かってください!! これは“創造主”の勅令です! どんな命令よりも優先してください!!」
“花”は何かと通信するように会話した。
「一体何が起きてるって言うんだ……? なんだこの嫌な予感は」
“創造主”は本当に抱えこんだ。
10:32、ポイントD。
「何、これ、何がおきたって言うの!!」
「血……」
そこは血溜まりという表現しか思いつかないような惨状になっていた。
そこにいた人々、黒服がまとめて切り刻まれていて、あたり一面が血の海、血溜まりと化している。
血肉のにおいが辺りに漂い、体が震え上がるような気色の悪い臭いがした。
果たしてこれは人間技なのだろうか。
人とは思えないやり口だった。
「おえっ」
“月”は思わずその場で吐いてしまった。
「これが、惨劇と言うわけか」
その映像を見ていた“創造主”は、苦い顔をした。
「……気持ち悪いです“創造主”、トイレに行きたいです」
「ああ。そうだ“花”、俺も言っておくことがある」
「どうしたんですか“創造主”?」
“創造主”はそこで怒りを顕にして、見えないとある敵に宣戦布告するように言った。
「高みの見物とは言えなくなった。俺も出る」