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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第四章
61/130

<2>~“都市”、大荒れに荒れる。~ (6)

 9:25、廃ビル外。

 赤井達が生徒会室に向かった11分前のこと。

 窓から飛び降りた後、廻家と焔は一気に走り出した。

 何故か。

「俺達も飛び降りるぜぇ!」

「ごご、ごめんなさい!」

「ふんっ!!」

 白道、“DBY”、“風”も窓から飛び降りようとしていた。

 白道は胸元のポケットから黒い布、マントのようなものを取り出して下に落とすと、それが途中でピキンと止まり、そこを足場として。

 “DBY”は2階の窓から鉛色の金属(多分鉄)を斜面のように出して滑り降りて。

 “風”は自らの膂力とテクニックで。

 そうしてそれぞれ違う方法で降りてきた。


「やばいやばい。どうするよ!」

「まずは二手に分かれるぞ。やつらの戦力を分散させた方がいい」

「じゃあ合流場所はどこにする!?」

「ふむ。赤井君たちもいるだろうから、間之崎学園で」

「了解!!」

 そこで廻家と焔は廃ビルの敷地から道へと出た。

 廻家は右へ。焔は左へ。



「分かれたねぇ。どうするよぉ?」

「ふわっ。どうしましょう」

「なら、俺と“DBY”は廻家を。“today”は焔を追え」

 三人が降り立った後、“風”がリーダーシップを発揮した。

「ちょっと待ってくれよぉ。俺が『円卓』の七星を相手に一人で戦えってかぁ?」

 そこで異論を言ったのは白道。

「お前の才能は時間止めに向いているし、俺はお前を(・ ・ ・ ・ ・)かなり信頼(・ ・ ・ ・ ・)している(・ ・ ・ ・)。お前なら倒すことも出来るかも知れんしな」

「……、そこまで言われたらしゃあないなぁ」

 そこまで言って、白道は焔の行った左へ。

 “DBY”と“風”は廻家の行った右へ。



「おいおい焔さんよぉ。そりゃ無いんじゃないのぉ!」

 白道が左に曲がった先では。

 焔が足と手から炎を出してかなりの速度で飛んでいた。

 まるでジェットがついたかのように。


「流石は発現系(メイカー)の才能、発炎能力(ファイアメイカー)を極めた男かよ……、“極めれり炎(コンプリートファイア)”。あまり才能は使いたくないんだが……、“白眼視(ホワイトアイズ)”!!」

 そう白道が言った瞬間、焔の動きが止まった。

 一時停止を押したかのように。

「これで地道に追いついて見るかぁ」



「ちょ、あの人の動き方、変すぎませんか!!」

「これが情報に聞いていた廻家の才能か……」

 “DBY”、“風”が右に向かった先では。

 廻家が後ろ、つまり“DBY”、“風”と面で向かい合わせになりながら走っていた。

 いや、走ってなどいない。

 足が地面についたまま全く動かさずに、まるで横スクロールのように移動していた。

「あ、あの……」

「“巡る輪廻(スピンアウト)”、すべての(・ ・ ・ ・)()()力を与える(・ ・ ・ ・ ・)才能。大方靴の底にでもボールかなんか仕込んで回転させているんだろう」

「ハハハハハー!! 追い着けるかなー!」

 廻家はかなり調子に乗っていた。

「ふむ。追い着こう」

 その安い挑発に乗るかのように“風”の身体がグッと伸びた(・ ・ ・)

 実際は伸びてはいない。が、その加速力と歩法によって伸びたように錯覚させられた。

「縮地かよ!」

「俺の場合はY-ダッシュだ」

「スーファミ版!?」

 意外に“風”はボケてくれる人で。

 B-ダッシュじゃないところが上手い。

 とか考えてる場合じゃなく。


 追い着かれ、先へと回りこまれてしまった。

 前には“風”、後ろには“DBY”。逃げられない状況だ。


「戦闘開始って所かよ……」

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