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<1>~赤井夢斗は女の子に出会い、才能を行使する。~ (4)
「俺が説明しようとしてるときに勝手に突っ込むからこうなるんだよ……」
はぁ…、と溜息をつく白道。
「アンタ、何なの?」
俺の後ろでは女の子が不思議そうにこちらを見ていた。
「キャンセラー。“才能帰却”か?」
白道が重く話し出した。
「へぇ、知ってる人がいるとは思わなかったけどな」
赤井はその言葉の意味を知っているらしい。
その言葉を聞いた白道は、
「そうか、よし、戦略的撤退するぞー」
と、何とも間の抜けた声で驚いたことを言い出した。
「ちょ、ちょっと待てよ、何でその言葉を知っているのかまだ聞いてないぜ!?」
「白道さん!?何言ってるんですか!?」
赤井と黒服のもう一人が声を合わせて反論した。
「ほらほら、上司の言うことは聞くの。この状況は俺らにとって非常に厳しい、何より俺が何も持ってないからほぼ一般人化してるんだよねぇ」
やれやれ、といった感じで首を振る。最後のほうは自嘲気味だった。
「……分かりました」
渋々、といった表情で納得した黒服。
「いや俺は納得してないって!!」
赤井がそう叫ぶも、
「じゃ、アデュー!」
白道がそういうと、黒服が地面に向けて炎を出した。
赤井が走って追いかけ、またも炎を触れるだけで消したものの、そこにもう奴等は居なかった。




