<1>~“都市”、いたるところで異常発生。~ (2)
「染山さんの才能を使えばいいのですよ」
「俺は“才能帰却”だが、それすらも何とかなるのか?」
「大丈夫です。あなたの才能は触れたものの才能の力を消すんですよね?」
「だから、どうするんだよ」
少し考えあぐねるが。
「では私たちは先に篠崎さんの才能で降りときます。その後染山さんの“体温自在”で4階からコンクリートを溶かしてゆっくり降りればいいんですよ。赤井さんは染山さんが腰に紐でもつけてそれを握って降りればいいんです」
「OKじゃん」
「待て! コンクリート溶かすって――――――――」
赤井の言葉も聞かず4階の窓から出る。
「篠崎、お願い」
「“重力遮断”、発動」
そうして染山以外の全員がふわりふわりとゆっくり下へ。
「さて、行くじゃん!!」
染山はそう叫び、俺達は窓際の壁に。
「“体温自在”、開始じゃん!!」
染山はそう意気込み、壁のコンクリートに両手をついた。
「俺に触れると火傷するじゃん? 赤井」
「俺は才能は効かないぞ?」
「今のは冗談じゃん。良い? 俺は今コンクリートに穴を開けてるじゃん。そこに手をつっこむから、そうしたら腰につけた紐を持つじゃん」
「紐?」
一体何が起きるんだろうか。
そう思いながら紐を渡された。その紐は染山の腰に繋がっている。
「100℃、200℃、400℃……」
「400℃!?」
一体どんな温度なんだよ!!体温とかのレベルじゃないぜ!?
「この程度で、驚くなじゃん……」
すぐに変化は訪れた。
腕が温度で貫通したのだ。
「これ以上の必要はないじゃん。向こう側に行くか」
「向こう側?」
一体どういう意味だ?
そういう前に染山が動いた。
窓の外へ染山が飛び出し、自分の作った穴に手を突っ込んで宙ぶらりんのような格好に。
「危ねぇ!!」
「ノープロじゃん。早く足につかまるじゃん」
「んなこと怖くて出来るか!?」
「そういってもこうするしか無いじゃんよ」
「……」
「ほら、早く!!」
「……やけくそだ糞野郎!!」
そういうと紐を持って飛び出した。
こうして俺も宙ぶらりんに。
「意外に……、重いじゃん……」
「さっさと何とかしやがれ!! お前がこうさせたんだぞ!!」
「じゃ、じゃんじゃん仕事するじゃん!!」
ズルッっと。
そんな気色の悪い感じの効果音で。
景色がなんだか少し変化した。
さっきまでの木の高さが上がった気がする。
だが、それは少し違っている。
染山が手を突っ込んでいたところがドロドロと溶けている。
そしてゆっくりと落ちている。
「はっ!?」
ちょ、ま。
ゴゴゴゴゴとゆっくり落ちていく。
「っと」
「のわっ!!」
結構バランスが悪いし、持ってる紐が滑り落ちそう。
でもここで落ちたらデッドエンドしか待ってない!
頑張れ俺!!
「染山式エレベーター、一階に到着じゃん」
数分後、ぶらぶらと所在無さげだった足が地面につく。
ああ、地面ってすばらしいもんなんだな。
地球の偉大さに感動した。




