表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第三章
40/130

<3>~一般人にして他称世界最強が動き、“創造主”を驚かす。~ (3)

 立ち上がってやるよ。

 立ち上がってやるともさ!


「……ふざけてやがるな、その威力……」

 ゲホッと咳き込みながら“風”は立ち上がった。


「さて、窓ガラスを割っちまった訳だが、まあ後で買いなおせばいいか。しかし結構不意をついた自信はあったんだがな。なんだかんだで腹筋に力が入ってたな。やっぱりお前は凄いんだな」

 桜がやれやれというジェスチャーをした。

 そして桜も外へ出てきた。



 多分俺が意識を失わず、なおかつ立ち上がることが出来たのは、ひとえに俺の今までの経験のおかげだったのだろう。

 どうやら身体は俺の意思と関係なく腹筋などの主要な筋肉を緊張状態にしていたようだ。

 警報ががんがん鳴っていたから、こういうことが起きたのだろう。


 こいつは油断ならない。


「まったく、どんな威力のパンチなんだ……、よ!」

 速攻で決める!

 そう考えた“風”は、言葉を言い終わる前に一気に間合いを詰めた。

 姿勢は超低空。

 砲弾のように近づき、顎を狙った必殺のアッパー!(正確には必ず殺せるわけじゃないけど)


 桜はそれをなんともないように一歩下がって避ける。


 が、


 それを見切っていたとでも言わんばかりに“風”はそのアッパーを止め、左のストレートを一歩下がって無防備になっている桜の腹目掛けて繰り出した。



 流石にフェイントのアッパーで右手を挙げているので威力は桜程ではなかったが、明らかに今のは無防備なところに打った。


 はずだった。



「……!?」


 桜はそのストレートをリンボーダンスの要領で綺麗に避けた。

 むしろマトリックスの名シーンに近いかも知れない。


 そしてその行動だけで終わらないのがこの男、紅桜だった。

 そのまま手を後ろにつき、そこから自分の足を蹴り上げて逆立ちするような形となり、くるっと回って綺麗に着地。


 それをしている間に“風”への攻撃も欠かさない。

 足を蹴り上げてから逆立ちをする前に両足で出たままの“風”の腕を挟みこみ、そのまま回転して着地していた。


 つまり。


 バン! と背中から地面に打ち付けられるように“風”も一回転して投げられた。



 まさしくこれこそ神業。

 およそ人間に出来る芸当ではないだろう。

 そしてそれをする男が桜だった。


「くっ……」

 “風”もちろん受身は取っていたのでそこまでのダメージはないが、精神的な面の方はかなりきつい所まで来ていた。

 立ち上がる気力を失わさせられる。

 桜が両足を閉じていたのを開いた。

 同時に“風”の左腕も解除された。


「さて、聞かせてもらうぞ。鍵音の帰りが遅い。お前達が何かしたのか?」

 あくまでも冷徹な目でいまだ倒れこんでいる“風”を見る。


「……こんなにやられるのは本当に久しぶりかもな。紅鍵音に関しては、生きている。心配するな」

 するとひどく安心したような顔を見せた。

 先ほどから殺気しか感じてない“風”としては、とても新鮮だった。

「そうか。良かった。じゃあ、帰りが遅いのはどういうことだ」

「……紅鍵音は赤井夢斗と一緒に“都市”に向かっている。“創造主”によると殺したりはしないようだから大丈夫だろうがな」

「なるほどな。自分の陣地にとりあえず連れてきておく、って所か。じゃあもう一つ。母さんを殺したのはお前らか?」

 安心していた顔からまた引き締まり、殺気を目に孕ませだした。

「……否定はしない。だが、“創造主”の命令ではない。“創造主”の考えを汲み取れない愚かな者の犯行ではあるがな」

「そうか。すっきりした」



 死刑宣告のように冷たく、



 そう言い放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ