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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第三章
39/130

<3>~一般人にして他称世界最強が動き、“創造主”を驚かす。~ (2)

 パシッと小さな音が響いた。


「いきなり物騒だな。それともこれが最近の握手とか挨拶ってやつか? だとしたら謝るわけだが」

「……、アンタ、何者だ?」


 桜がしたことは単純明快だった。

 腰の辺りで今にも打ち出されようとしているその拳を、速度に乗る前に右手をかざして止めた。

 ただそれだけだが、普通の人間には出来ない芸当だ。

 まず、いきなりの訪問者にいきなり殴られるなんて想像できるはずがない。

 それなのにこうして防いだ。

 “(ウィンド)”がこう問いかけたのも頷ける。


「何って、しがない無才能(ノーマル)の一般市民だぜ?」

「こんなことをする一般市民がどこにいるんだ」

 そういうと“風”は拳を下ろした。


「さて、何の用なんだよ。いきなり急所狙って意識落(・ ・ ・)とそう(・ ・ ・)として来るほどのものがうちにあるのか?」

 すべてお見通しってわけかよ。なんなんだこの男は。

 “風”はそう悪態を心の中でついたが、結局目的を話すことにした。


 なんというか、この男にはすべて見通されている感覚がする。

 もちろんすべてがそうと言うわけではないだろう。

 そんなことが出来るのは忠誠を誓った“創造主”様だけだ。

 だが、嘘をつけないような迫力がこの男にはあった。

 さしずめオーラといったところか。


 さっき拳を止められてから、なんだか頭の警報が鳴り止まない。

 ただの無才能者をこんな風に感じたのは初めてだった。


「USB。USBメモリーを貰い受けに来た。ここにあるということはわかっている」

 そう、“風”の目的とはUSBメモリーの回収にあった。

 もちろん情報を知っている疑いのあるこの男も後で始末する予定だったが。


「ああ、成程ね。あんた達が鍵音の言っていた“統一された幸福な世界オールワン・ハッピーワールド”って奴等なのか。んで、組織の大事な情報が入っているUSBを取りに来たと」

 桜は納得する。

 その姿をみて、“風”は始末対象に桜を完全に追加した。


「そこまで分かっているなら話は早い。さあ、それを渡してもらおうか」

「ああ、別に良いけど」

 そういうと玄関から奥へと入っていった。

 もちろんついていく“風”。


 そして居間と思わしき部屋にあるパソコンにささっていたUSBを取り出すと、ホイッと“風”に手渡した。

 何事も無くキャッチする“風”。



 ゾワッと。

 USBを受け取ったときに感覚がした。

 全身が総毛立つ感覚。

 危険だ。

 さっきから頭の中で、『この男は危険だ』という警報が鳴っていた。

 だがこれを受け取ってから、その警報のレベルがMAXになった。



 危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ、危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険だ危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険危険――――――――――――



 別にこの男がナイフを持っているだとか、そういう訳ではなく。

 ただ怖い。

 こいつの放つ気がどんどん膨れ上がっていた。

 俺の正体を知られたときから。




 その警報の理由はUSBを受け取ってコンマ数秒後にわかる。

 ドスッ!!!

「か……、はっ……?」

 気がつくと、桜が目の前にいて。

 気がつくと、腹部が殴られていた。

 あまりにも速すぎて、理解が追いつかない。


 いまだに殴られたのかどうかわからない。

 痛みもまだ感じない。


 そのまま見えない力のように、身体が。



 吹き飛んだ。




 まさしく殴り飛ばすといった表現の正しいような桜の放った右ストレートによって、“風”はそのまま窓へと突っ込み、それを割り飛ばして外にまで出た。


「まぁ多分アンタは体術がすごく得意なタイプの人なんだなってのはさっきの不意打ちでわかったから、多分意識は飛んでないだろ、立ち上がれよ。鍵音のことも、母さんのことも聞きたいんでな」


 その目は、殺気に溢れていた。

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