<2>~全員で雑談を繰り広げ、不意にある男に再会する。~ (1)
赤井と紅が和解したところで、染山達五人が席に戻ってきた。
そして今度こそ昼食。
ラーメンはすこし伸びぎみになっていた。
「あの……、染山君、食べすぎじゃない?」
篠崎は驚いた顔で染山の弁当箱を指差す。
無理も無い。
そこには三段の重箱が置かれていた。
まるでおせち料理のようにでんと。
ある意味迫力満点。
しかもカロリーの高そうな油物等が詰まっていた。
それを掃除機のようにヒョイパクと口に運ぶ。(いやむしろ吸い込む感じ。)
「昨日から思ってたがお前よくそんなに食えるよな。」
それは赤井も昨日から思っていた。
あまりにも周りのやつが普通に接してたからいえなかったけどよ。
これは男子だからとか言うレベルじゃないぜ?
どうやら驚いているのは俺と紅、篠崎の三人だった。
「ああ、これは、」
「これはー、紫瀬の才能が関係しててねー。紫瀬の才能は“体温自在”って言ってさー」
「おい茶仁! 手前俺の才能バラしてんじゃねぇじゃんよ!! ここは俺がカッコ良く自分の才能を言うとこじゃんよ!! 俺に語らせろや!!」
どうやら十島は空気の破壊が好きらしい。
ところで、
「“体温自在”って何?」
「“体温自在”というのは何なの?」
「残念ながら教えて欲しいんだが、“体温自在”ってのは何なんだ?」
三人の質問が合わさった。
「“体温自在”ってのはー、」
「もう言わせないじゃん!」
十島が言う前に染山が口を塞いだ。
十島はモゴモゴとなっている。
「“体温自在”っていうのは、簡単に言えば自分の体温を上げたり下げたり出来るじゃんよ。0度だろうと100度だろうとじゃん」
「へぇ。そりゃまた凄いな」
冬とか寒くなさそうだな。
「なんか棒読みな気がするじゃん……」
「あまり凄さがわかんなくてな」
実際そういわれても、驚くのも難しいってもんだ。
「でその才能とお前がたくさん食べることに何の関係があるんだ?」
「そうそう、この才能の弱点っていうか、対価っていうもんがあるんじゃん。それがかなり腹が減るってことなんじゃん。カロリーを使うだとか何とからしいけど。才能を使用するともっと酷いじゃん」
「じゃあ、いくら食べてもほとんど太らない……、ていうか食ってないとまずいのか。残念なことに」
「まったく、女子にとってうらやましすぎる才能ね……」
「本当。私たちがどれだけ努力してると思ってるのかしら」
ぞくっと背筋に悪寒が走ったかと思うと、二人の女子が染山を凝視していた。
「な、何じゃんよ?」
「別に何でもないけれど?」
なんか篠崎さんも口調が怒り気味。
才能なんて狙って好きなものがもらえるわけじゃないんだからどうしようも出来ないんだけど……。
まさしく八つ当たりに近そうだった。




