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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第三章
33/130

<1>~二人は対立し、五人は囃し立て、篠崎は紅のために動く。~ (3)

 さてしも今日の授業はソフトボールのはずだった。

 はずだった。

 大事なことなので二回言いましたよ?


 二クラス合同で行われるそのソフトボールは、想像を遥かに上回るものだった。


 理由はただ一つ。


「じゃーおまえら、才能が自由に使えるからって遊びすぎるなよ」

 という桜島先生の言。


 才能の使用の許可。


 人に危害を加えない程度ならOKだそうだ。


 平然と剛速球が飛ぶ。

 そしてそれを打つ。

 ホームランのはずのコースのボールが何故か急角度で落ちてフライになる。

 お前らもうプロ野球行けよ。


「赤井、お前もやって見るか?」

 いいです先生、俺にここに入る勇気は、

「おう、赤井、入ってこいよ!」

「次の打順代わってやっから!」


 俺に恥をかかせたいのかお前らは!

 悪意なんて無いだろうが俺はお前らのそのキラキラした笑顔に殺意を覚えるぞ!

 普通の体育ってもんを知らねぇのかよ!

 俺の才能はこういうのに向いてないの!

 もう無才能と同じなんだって!


「いや、俺は」

「遠慮すんなって!」

「ほらほら、行ってこい!」

 先生に後ろからぐりぐりと押される。

 先生、遠慮とかそういう気持ちは一切ないんですよ?

 分かって、ねぇ、分かって?





 気がつくとバッターとして立っていた。

 もう何か無理。やけになりました。


「こいつ普通にプロ並みの球投げてたやつじゃないかよ」

 赤井は小声で呟くが、誰も気づかない。


「じゃあ、いっくぜー!」

 バシュ! という音が投手から聞こえた気がした。

 そしてズバン!と音がしてボールはキャッチャーミットの中に。


 あー駄目だ。もう見えないレベルだもん。

 テレポートした感じに近いんだけど。

 やっぱプロの球はテレビで見るのと違って迫力あるね!

 ……俺もあの男もプロじゃないけどさ。


「出た、嵐山のジェットストレートアタック!」

「流石の転校生も嵐山のジェットストレートアタックは打てないか……」

 なんだそのジェットス○リームアタックみたいな必殺技。

 三体でやるやつね。


「どうよ! 俺の才能“嵐の射出(ジェットストーム)”は! こいつは周りの空気を集めて一本の嵐として集めた空気を打つジェットみたいな才能なんだぜ!」


 つまり。

 どうしてこんな剛速球かという理由は、この嵐山という男が空気を集めて、投げる瞬間にボールの後ろからまるで追い風のように集めた空気を一本にして出してるわけだ。

 バシュっていうのは風の音だったってわけか。


 バシュ!

 ズバン!


 そうこうしているうちに二球目もストライクが入った。

 どうやらコントロールも高いらしい。

 現在2ストライクノーボール。2アウトランナー1塁3塁。


 打てればヒーロー、打てなきゃ何とやらって所かよ。

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