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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第三章
32/130

<1>~二人は対立し、五人は囃し立て、篠崎は紅のために動く。~ (2)

 一時間目、物理。

「そういや赤井は宿題したんじゃんか? さっきの話だとすぐ寝たっぽいじゃん」

 斜め前の席の染山が聞いてきた。

「……、あぁー!!P71のやつか! やっべーよ、まじやっべーよ!」

「石ズッチーはこういう所結構厳しいじゃんよ?」

 物理の先生、石鎚(いしづち)厳三(げんぞう)。(通称石ズッチー)

 一言で言うなら、超渋い。

 渋さの塊魂。


 ……紅はまだ怒ってるのだろうか?

 そうふと横を見ると、楽しそうに女子と話している紅の姿が。


 そういやあの人は……。

 赤井は紅としゃべっているもう一人に見覚えがあった。


 篠崎麻耶だった。

 後で聞いた話だと、彼女は生徒会に入っていて成績も普通に良いらしい。

 そんなことをつれづれなるままに考えていると、紅と目が合ってしまった。

 すると紅は篠崎に見えないようにして、顔を鬼のようにした。


 女怖っ!!

 さっきまで楽しそうに話してただろ!

 女子に恐怖を抱いた赤井であった。


 ちなみにこの後赤井君は転校二日目ということもあり怒られませんでした。


「二、二時間目、俺はこれにすべてを……」

「どうしてげっそりしてるじゃんよ?」


 いや確かに授業ってのは静かに受けるもんだよ?

 そりゃそうなんだよ?

 ある程度の緊張も必要だとは思うよ?

 でもあの緊張のレベルは度が過ぎてるって!

 死刑執行前の囚人の気持ちかよ!


「ま、慣れれば何とかなるじゃんよ」

「そんなもんか?」

 正直あれでけろっとしている染山に驚いたが、慣れてしまえばということは無いのかもしれない。


 その二時間目。

 現代文学、富士叶。

「はーい♪授業始めるよー!」


 ……この先生が人気な理由が分かった気がする。

 まさしく砂漠の中のオアシス。

 先程の重圧だらけの授業ではなく、飛翔するかのような軽さで授業を受けた。

 それでいてちゃんと内容が頭に入っているのだから、富士は凄い先生なのかもしれない。


 三時間目、数学。先生は阿蘇(あそ)貴則(たかのり)


 結果?

 何を言ってるんだ。

 普通の高校に通っていた赤井夢斗だぞ?



「赤井ー、大丈夫かー?」

「俺に構わず先に行け……」


 何だこの授業は。

 みんな平然とした顔をしてやがる。(藤崎は多分単に馬鹿なだけだとは思うが)


「赤井、どうでも良いけど、次は体育。準備するじゃん」

「体育!」

 ついに俺が普通に頑張れる教科来たり。

 今の俺は水を得た魚のように!


「体操服はー、大丈夫なのー」

「ああ、ここのが届くまで前の高校のを使うつもりだ。でも、今日は見学っぽくなると思うぞ。」

 そうして着替える。

 この学校は男子がA組、女子はB組で着替えるようだ。


「そういや藤崎と天音は?」

「さあ、トイレじゃねえの?」

「そっか」

 着替えの中で藤崎と天音の姿が見えなかったが、そういうことか。


「じゃあ行くか」

「何で仕切り口調じゃん?」

「行こー」

 とりあえず三人でグラウンドへ。


「赤井は知らないと思うけど、桜島先生はとにかく凄いじゃんよ」

「サクラジマ? ふーん、どんな風に?」

 正直、体育教師の凄さならこっちだって負ける気がしない。

 普通の高校なめんなよ、進学校!


「そうだな、50メートル4.9秒だったり、ムーンサルト飛べたりするじゃん」

「そんなもん高校に求めるな!!」

 その人はしかるべき所に行ってオリンピックにでも何にでも出てもらおう。


 そういえば。

 桜島といえば、桜さんはこういうことできるんだろうか?

 紅の誇張表現かもしれないが、あの人は本物の人のような気がした。

 なんとなくね。

 出来るのかな?

 出来そうな気がする。

 あってみたらわかると思うよ? いや正確には殴られる瞬間を味わえばわかるよ?

 あれは本当に怖かった。

 ほとんど覚えてないけど。

 殴られる瞬間しか頭に無いや。


 そして授業はソフトボールだった。

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