~“統一された幸福な世界”、大体終結。~ (2)
「それでは、集会を終了します」
“恋”がそう言い、集会は終了した。
「来るべき五月一日に向けて残り一週間。皆、頑張るように!」
“創造主”がそう締めると、花鳥風月、五日間は出ていった。
残ったのは“痛”と“恋”と“創造主”だけとなった。
「二人も手を抜かずに、潜入の任務頑張ってね」
“創造主”が二人の任務を応援した。
「はいっ! 頑張ります!!」
“創造主”からの応援が嬉しかったのか“恋”はとても喜んでいた。
「なぁよぉ、“創造主”。俺は間之崎学園なんだがな、どうしてこんなことしなきゃいけねぇんだよ」
だが、“痛”の考えは違っていて、自らの任務に疑問を持った。
「確かに……、もっと他の有力者を抑えていた方が良いのではないのでしょうか」
“恋”もそうだったらしい。
「それは、学生……。子供の方が怖いからさ」
「怖い?」
「大人って奴は価値か無価値か、常識というものがあるからな。それが色々とストップをかけてくれるもんさ。思考とか行動とかにな。だけど子供は違う。自分の正しいと思った方に突っ走っちまう。閃きとかで行動しちまう。だから………、怖いのさ」
「そうですか……」「そんなもんか?」
二人は渋々納得したような顔をした。
「だからこそSランクを有している二つの巨大勢力となりえる学園を落としておきたいのさ。間之崎にはあの高原衣、そして紅に赤井君、黒峰にはあの不確定要因のイレギュラーが居るからね……」
高原衣。
現職:学生、生徒会長。
“創造主”にえらく買われているようだ。
「ちなみにこの配置にも意味があってね。間之崎は赤井君が居るから、もしも戦闘沙汰になったときは“痛”、君の才能が一番やりやすいでしょ。黒峰のアイツは“恋”、あなたの才能がやりやすいでしょうから、と思ってね。上手く赤井君とイレギュラーを配置できただろ?」
そこでフッと微笑をした。
さてしも世界。
お前はどう変動する?
俺に味方してくれることを頼むよ。




