<2>~二人は学校へ向かい、今度は変人に出会う。~ (4)
一時間目終了。
ここの数学はそこそこ難しかったな!!
いや、見栄を張るのはよそう。
かなり難しかった。
ここってそういや名門らしいんだよな……。
よく考えれば難しいのも当然かもしれない。
そう考えていると、俺の周りには多くの人が集まっていた。
「なぁ赤井、俺は染山紫瀬って言うじゃんよ。よろしくじゃん」
「僕はー、十島茶仁ってー、名前なんだよー」
そういって口々に名前を言い出した。
「わかんないとこがあったら俺に任せとけ!」
「そうだ、学校を一通り紹介しようぜ!!」
「なら、この辺の街についても説明しようよ!」
「さーんせーい。」
「とりあえず放課後に俺らと学校でも回るか?」
話がとんとん拍子で進んでいく。
だが赤井はこの空気が嫌いではなかった。
むしろ好きだった。
ああ、わいわいがやがやっていいなぁ。
「いいぜ、学校案内してくれ」
いつの間にか答えてしまっていた。
どうやら赤井もこのクラスに馴染み始めているのかも知れない。
この後英解、物理、公民と続いた。
授業についていくのは大変そうだ…。
そして昼休み。
今日の昼ごはんは行く途中の近くのコンビニで買ったパンだ。
食堂の場所とか聞いとかなきゃいけないな。
「なぁ、一緒に食べようじゃん」
そう言ってきたのは染山。
休み時間に常に喋りに来てくれた男の一人だ。
「そうですね、私もご一緒させてもらってよろしいでしょうか」
彼は相馬海。
随分と堅い敬語が特徴で覚えている。
「僕もー」
こいつは十島。
どうも話していると気が抜ける奴である。
「そうだな、一緒に食うか」
そうしていると、俺や染山らのとりまきを見ている男が。
入りたいのかな……?
そんなことを考え、声をかけようとすると、
「おーす転校生。一緒に食おうぜ!ほら、天音も!」
そういって天音と呼ばれた少年の背をバンバンと叩く男。
こいつは…、藤崎か?
そうそう、藤崎烈。
180センチはある高身長でガタイがいいのが特徴。
もう一人は……。
「天音、そういやお前は赤井に挨拶してなかったろ。やれよ」
そうしてバンと前に出させた。
「えっと……、僕は天音。天音雷綱。よろしく……」
そういって頭を下げた。
「そんなに頭下げんでいいって。天音君、一緒に食べようぜ」
そうして席を作った。
どうやらかなり引っ込み思案のようだ。
いつの間にか5人も周りに集まっていた。
すっかり大所帯である。
「天音の作った飯はうまいんだぜ!!」
「そ、そんなこと……、ないよ……」
「うんにゃ、ここはうまいに一票」
「僕もうまいにー、一票」
「うまいに俺も一票じゃん」
「あ、転校生。俺の弁当は天音製なんだぜ!!」
「そいつはすげぇな」
「天音はいい嫁さんになれるよな!!」
「いやぁ……」
「そこは喜ぶところなのか?」
やはりというか。
場の空気をつくるのは藤崎だな。そう思った。
五、六時間目もあっという間に過ぎ、放課後。
「さぁて、案内しようかね赤井君」
結局学校紹介は昼休み一緒だった染山、相馬、藤崎、天音、そして俺の六人で学校を回っていった。
体育館、保健室、校長室、生徒会室、食堂、etc。
食堂は思っていたよりずっと広かった。
「ここは親などがいない方がほとんどなので、仕方ないのではありませんかね。料理が出来る人が多いとはいえ、藤崎さんみたいな方もいらっしゃるし、朝は大変でしょうから」
と説明してくれた。
そうしていい雰囲気で終わり、通常なら「六人で帰ろうぜ!」的な空気で無事寮までついたろう。
だが、そうは問屋が卸さなかった。




