<2>~二人は学校へ向かい、今度は変人に出会う。~ (3)
「はいはい、分かったわよー。みんなー。赤井君が困ってるから、みんな落ち着いて発言してね♪」
そのカオスを止めたのはカオスを生み出した本人、富士叶だった。
その言葉で教室が静かになる。
「じゃあ話も一段落したことだし、赤井君への質問をしましょうか。血液型と才能と好きな歌手と無能力の世界がどんな感じってのと嫌いな食べ物と趣味と彼女がいるのかと好きな女性のタイプについてね。発表お願いしまーす♪」
♪好きだな。
いやそこじゃないね突っ込む場所。
なんであんなおちゃらけた感じで生徒の話は全部聞いてんだよ……。
途中からは俺もわかんなかったしよ。
「え、あー、もう少しゆっくり、ていうか1つずつ言ってくれません?」
「あ、あぁそうね。じゃあ、血液型は?」
「AB型です」
「なら私と同じじゃない。次。才能は?」
「うーん、説明が難しいんですけど……。才能帰却って言うんです」
「聞いたこと無いわね……。どんな才能なの?」
「相手の才能で出来たものを全部消し去るってのが大本の才能です」
その一言で、周りがざわつき始めた。
「そんな才能有り得るの……」
「それ、相当凄いな……」
そんな中、ある意味チャレンジャーともいえる女子が一人手を挙げた。
「ねぇ、ちょっと試しても良いかしら?」
「え、あなたは……?」
「篠崎麻耶。才能は“重力遮断”。これは対象範囲の重力を消す力。これがあなたに効くならあなたは浮かび上がるはずよ」
なるほど、重力遮断ね。その力なら…。
「いいですよ。いつでも」
「ならお言葉に甘えるわ」
そう言い切ると、“重力遮断”を発動したようだ。
赤井の周りのチョークやら教壇がふわりと浮かび始めた。
が、赤井は動かない。
「うわっ」
「本当に浮かばない……、ね……」
「すっげぇー!!」
「なるほど、面白いじゃんよ」
半信半疑だった生徒達も少しずつ本当だと分かって騒ぎ出す。
「なるほど。凄いわね、その才能」
篠崎も驚いていた。
「えと、こんな感じの才能です。後は、俺に触れている時にその触れられている人の才能が発揮できなくなるってくらいですね」
教室内はざわついている。
ざわざわ。
そんな時、パンパンと二回手がならされる。
手を鳴らしたのは富士先生。
みんなが静まる。
どうやら教師的な能力は高そうな先生だ。
「凄い才能なのね♪じゃあ次の質問。好きな歌手は?」
「そうですね……。俺は曲で選ぶので特定の歌手とかはあんまり……」
「へぇー。次に、無能力の学校はどんな感じ?」
「今見た感じだと大差は無いと思いますよ」
「なるほどね。嫌いな食べ物は?」
「食べられるものなら何でもですね」
……。
実際こんな自己紹介延々と続いた。
その後。
「じゃあ赤井君の席は紅さんの隣で♪」
なんだこのベタ展開とはもう言わないさ。
「んじゃ、これで今日のSHRは終わり♪赤井君も分からないことがあったら先生や周りの人にどんどん聞いてね!」
そんな快活な声を響かせて富士先生は外に出て行った。
どうやらこの自己紹介タイムは長かったらしく、入れ替わるように男の先生が入ってきて、授業を始めると言った。




