<1>~二人は白道と共に“都市”へ向かい、ある男に出会う。~ (3)
「……、は!?」
唐突に目が覚めた。
頬がひんやりと冷たく、身体も冷たい。
結局寝ちまったな……。
正直トラックの床なんかで寝れるか!、と思っていたがそんなことは無く寝ていたようだ。
ただし身体の節々がどことなく痛い。
ベッドや布団に慣れた現代人の悪いとこか……?
そう考えたが、よく考えると相当昔から布団はあったと思うので、実はそうでもないかもしれない。
「……起きたの……」
「あぁ紅……、ってえ!?」
赤井が驚いたのも無理は無い。
紅は髪はボサボサ、目には大きなくまが出来ていて、こちらを睨む様に見ていた。
「まさか……」
「結局ほとんど寝てないわ……。赤井は先に寝ちゃうから本当眠いのに寝れなくていらいらして頭とか掻いたりながら意識を失うように少しだけ寝たけどもう気持ち悪いのよ……」
「二行の文なのに文から読点がなくなるほどきつかったんだな……。」
読みづらいわ。
「ふわーぁ、お、お前ら起きたのかぁ。ったくガキは朝が早くて困るってーの」
熟睡していた白道が目を覚ました。
心底ノンレム睡眠をお楽しみなさったそうで。
「どうしてアンタはこんなところで綺麗に熟睡することが出来るのよ理解できない考えられない有り得ない」
紅さん若干キレ気味で読点抜けるんですね。
「おいおい、冬山よりましだろ?」
「どんな所と比べてんのよそこは寝たら死んじゃうじゃない」
「つまり死なないんだから寝れるってことだろうよぉ」
「頭痛い……いろんな意味で」
紅さん読点ないしエクスクラメーションマークないから感情表現乏しくなってるけどこれ怒ってるんです。
だって目が人でも殺しそうな目なんだよ?
表現できないけど本当に怖いんです!
そのとき、ガクンとトラックが揺れた。
どうやら止まったようだ。
するとガラッと扉が開いた。
「ようやくついたか。待ちくたびれただろ」
開いた扉の目の前にはある男が。
30代位の男だった。
「おやおや、アンタ直々に見に来たのかよぉ。こりゃびっくり仰天だ」
白道は少し驚いたような顔をしたが、またすぐにニヤニヤと笑い出した。
「誰だ?」「誰なの?」
紅と赤井の声がシンクロする。
「あらあら、じゃじゃ馬姫は知んなかったのかぁ。誰って、」
白道はそこで一息ついてから、
「創造主だぜぇ」
と言い放った。