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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
篠崎の異変。
126/130

~篠崎は恥ずかしげに家事能力をアピール。~

「策、あるの!?」

 篠崎はベッドから飛び起きて答えた。


「えぇ。簡単な話です。あの“鳥”という男を思い出してみてください。あの男は、完璧にその吸血鬼の力をコントロールしていたんじゃないでしょうか?」

「あ……」

 言われてみればそうだった。

 私達と一応会話は成立していたし、 暴走という感じでは無かった。


「ですからあの男に話を聞いてきます」

「どうやって!?」

 確か“鳥”は、唯一“統一された幸福な世界”の大幹部で、都市警察が捕まえられたうちの一人の筈だ。

 そんな人間に会いにいけるものなのだろうか?


「それには少し時間が掛かります。ですが篠崎さんは急を要しそうですので、策その2を使わせてもらいましょう」

 相馬はそういうと、ガサゴソと自分が持ってきていたバックをあさる。


「これです」

 相馬がバックから取り出したのは、手錠だった。


「それって……」

「えぇ。あの“統一された幸福な世界”と、都市警察が使っている才能を封じる手錠です。これが吸血鬼にも効く事は“鳥”で実行済み。ですから、しばらくの間はこれを片腕につけていればいいんですよ」

 篠崎に手錠を手渡す。


「どうして相馬が?」

「あの事件のときに“鳥”から二、三個もらっておいたんです」

 バックから更にもう一つ手錠を見せた相馬。


「鍵はこれです」

 ホイッと鍵を放り投げた。


「あ、ありがとう……」

 早速篠崎は右手に手錠を掛けた。


「とはいっても、これは一時的なものです。それをつけていると、篠崎さんの本来の才能“重力遮断グラビトン・シャットアウト”まで消えてしまいますから。だからこそ、“鳥”に会いに行くわけですが」

 相馬はそこまで言うと立ち上がり、もう暗くなってきたので、といって篠崎の家を出ようとした。


「ま、待って!!」

 帰ろうとしていた相馬の腕を、篠崎が掴んだ。


「どうしたのですか?」

「い、いや、その……」

 篠崎が顔を赤らめてもじもじとしている。


「大丈夫ですか? まだ具合が優れないとか……」

「べ、別に大丈夫、大丈夫だから!! そ、その、もう暗いから、晩御飯、食べていかない?」

 篠崎は顔を背けて上目遣いに相馬を見た。


「……、そんな表情を見て帰るなんて男は男じゃないと私は思いますね。迷惑ではないなら、いただきましょう」

 相馬はさっきまで自分が座っていたところに腰かけた。


「そ、そう!! ならそこに座ってて!! 作ってくるから!!」

 多少慌てた様子で、篠崎がキッチンとおぼしきところに走っていった。 


 篠崎さんの手料理ですか、どんなものなんでしょうか。


「篠崎さん、今日は何を作るんですか?」

「肉じゃがを作ろうと思うの!」

 キッチンのほうから声がする。


 肉じゃがとは、結構定番ではありますが。

 こういうのに顕著に家庭の味が出るというものです。


「そうですか、肉じゃが作れるんですね。将来いいお嫁さんになれるんじゃないでしょうか?」

「も、もう、馬鹿言ってないの!!」


 おや、怒らせてしまったでしょうか。


 まったく自分のナチュラルジゴロトークに気がついていない相馬であった。

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