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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
篠崎の異変。
122/130

~篠崎にお見舞いへ。~

「桜さんにそんな裏話があったとはな」

 放課後、篠崎の家にお見舞いに行くということで赤井、紅、染山、十島、相馬が集まっていた。


「本当ー、都市伝説みたいなー、強さだもんねー。本当に都市伝説みたいなー、おじいさんがいたってのもー、あったんだー」

「そうだ、都市伝説といえば新しいのがあるじゃん」

 染山がまた言い出した。


「お前そういうの好きだな」

「そういうなじゃん。最近この辺で、化物が出てるらしいじゃん?」 

「なんで俺達に聞いた……」

「とにかく、出てるんじゃん。そいつは夜現れて、眼光を赤く光らせて人間とは思えない速度で人に襲い掛かろうとするんじゃんよ」

「それ都市伝説なのか? ただの殺人鬼的なやつとか、重犯罪者とか」

「だーかーら、“都市”の伝説みたいな話、都市伝説じゃん」

 ダジャレかよ。

「人を襲ってるならニュースに出るはずですが」

 今まで静かだった相馬が聞く。

「それがな、人を襲おうとして目の前くらいまで近づくそうだけど、ぎりぎりのところで逃げるそうじゃん」

「信憑性の低そうな話ですね。実質的な被害は出ていないそうですし」

「でもよ、実質その赤き目の化物はよく目撃されたりしてるそうじゃん」

「そのての噂は尾ひれ背びれがつき物よ。本当は赤い光を反射した目を見た人が化物と思っただけとか、そんな感じでね」

 紅が都市伝説をばっさりと切る。

「うー、まあ俺もそこまで信じてるわけじゃないけど、結構信憑性高いものだったんじゃん?」

 む、とふくれる染山。

「分かった分かった。じゃあぼちぼち、篠崎の家に行こうぜ」

 赤井が話を切り上げて、篠崎の家に向かうことになった。


「篠崎、みんなで来たわよ」

 紅がみんなを連れて、篠崎の寮の扉の前に着いた。

 そしてインターホンを鳴らす。

「紅? 別にこなくて良いって……」

 インターホンの向こうからは小さな声で篠崎の声がした。

「みんなが来たいって言ったから。篠崎、どうしたの? 大丈夫? かなり調子悪そうだけど」

「ううん……。いや、そうね……。みんなに……、うつるから……」

 その声はかなり弱々しかった。

「感染系の病気、なのですか?」

 相馬も尋ねる。

「え、いや、そういうわけじゃ……。とにかく、日が照っているうちに、帰って!」

 ちいさな声ながら、その声は拒絶していた。

「しょうがないですね。ここまで言われては。ここは帰りましょう。篠崎さん、申し訳ありませんでした」

 相馬は一礼すると、みんなを引き連れ帰っていった。


「あ、メール」

 みんなと帰っている間、紅の携帯にメールが届いた。


「今日はゴメン。相馬くんが悪いわけじゃないから。私は明日も休むと思う」

 と、簡略なメールだった。


「しかし、篠崎さんの声と態度が少しおかしかったですね」

 メールを見た相馬が、改めて不思議に思う。


「お前の女に対する勘ってやつじゃん?」 

「かも、しれませんが……。とにかく、何か隠しているような感覚がしました」

 相馬は自分の見解を述べる。


「よく分からなかったなー、僕らにはー」

 十島は感心したようにいう。


「ま、考えすぎってこともあるんじゃないか?」

 確かに怪しい感じではあったが、そこまで心配することだろうか。


「そうかもしれませんが、少し胸騒ぎがするんです。そうですね、もう一度戻って話を聞いてみます」

 相馬はそういうと走って篠崎の家に戻っていった。


「戻る程かな?」

「ま、アイツだからなー」

「しょうがないじゃん」

 赤井の質問に染山と十島が答えた。


「相馬って、いったい何なんだ?」

「彼は、女子の間でもちょっとした人気だったりするんだよ」

 紅が相馬について語る。

「普通に優しくて少し物静かで口調が面白い、ってところがね」

「へぇ、そうなのか」

 相馬ってそんな風に思われてんだな。


「そして、アイツの女に対する勘は異常に当たるじゃん」

 染山がその説明に加える。


「何か、あるかもしれないじゃん」

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