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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
115/130

<5>~異変に赤井は迫られる。~

 どうすればいいんだ?


「まずは、そこの赤井君から殺させてもらおう」

 “影(廻家)”はこちらを向く。


 このままじゃ、全員が死ぬだろう。


「俺はこいつみたいな馬鹿じゃない。危険因子のお前から確実に殺す。とはいっても道具は何にしたものか」

 “影(廻家)”は“創造主”を一目見やると、周りを見渡す。


 死んで、たまるか。


 どんな絶望的な状況でも、やらなきゃならない時がある。


「そうだな、この左腕を使って赤井君の才能を打ち消してから首でも飛ばすか。知ってるか? “才能帰却”同士が触れ合うと両方の才能が無効化されるそうだ」

 “創造主”の左腕の切り口辺りを持ってこちらへ向かってくる。


「やってやんよ」

 赤井はゆっくりと立ち上がる。

 正直立ち上がるだけでも腹に突き刺さるような痛みが走る。

 だが、


「ここでやらなきゃ誰がやる。残念だよ、まったく」

「立ち上がるか。しかし、どうやらダメージは大きそうだが? 後言わせてもらうなら、俺はそんな姿でも容赦する気は毛頭無い」

 

 だろうな。

 この男は全力で俺を殺しに来るだろう。


「やらずに死ぬより、やって死ぬ。もちろん、死ぬつもりで戦う気は無いけどよ」

「そうか、せいぜい頑張りたまえ。お前の体力に合わせて、短期決戦にしてやるからよ!!」

 “影(廻家)”は叫ぶと“創造主”の左腕を思い切り赤井に向けて放り投げた。


 どうやら、あれに触れると俺の才能まで打ち消されちまう。つまり、あの男の才能まで喰らうことになってしまう。

 赤井はそれを注意して避ける。


 そして左腕から注意を“影(廻家)”の方に向けると、


「終わりだな」

 “影(廻家)”はこちらに飛びながら身体を回転させてこちらに迫っていた。


 左腕はブラフ、この攻撃をするために投げつけて注意を逸らしたのだ。


 そしてその回転のまま右腕を構える。

 廻家の才能で回転を強化して、一撃で殴り飛ばす気だろう。

 その回転はかなりのもので、一秒間に2.5回転くらいしていた。 


 ただ、これを回避するすべが無い。

 考えだけがとりとめも無く浮かんでは消えていく。


 やはり人間危機、というよりは死ぬ前になると脳の活動が一時的に活発化するのだろうか?

 “影(廻家)”の動きがゆっくりに見える。

 相当な速度で回転しているはずなのに。


 ゆっくり見えたからといって、身体は動かない。


 これも後から見ればコンマ数秒の話なのかも知れない。


 いや、どうでもいいか。


 殴った瞬間に俺の才能で“影”が廻家さんから飛び出すんだ。


 後はみんなに任せようか。


 赤井はそんな遺言めいたことを考えた。


 そして、目の前に拳が現れた。

次の話くらいで完結しますかねー、第五章。


多分。

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