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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
110/130

<4>~最終決戦!!~ (7)

「成程な、策士が。これを狙っていたということか」

 “創造主”は忌々しげに呟く。


「本気で、賭けだったがな……」

 ふらふらになりつつも高原は答える。


「“(サンダー)”?」

「じゃあ、あれは天音であって天音でないって事じゃん?」

「そういうことになるのでしょうか。あれは私の知っている天音さんではありませんし」

「そうなの? てっきり私はこんな人かと思っちゃったわよ」

 十島、染山、相馬、姫岸は“サンダー”のその説明を聞いて一応は納得する。


「やるだけ、やってみようとするか。天災カミナリよ」

【人間ノ反抗ナンテ小サイ物ダガナ】

 “雷”はそういうと、右手に電気を集中させる。

 とはいっても、ほんの一瞬気をそむける程度。


 そのまま右手を前に出す。

【ダガ、命令デモ無ク己ノ信念ダケデ俺ト戦オフトシテイル、其ノ心意気ハ買オフ】

 “雷”の右手から幾重もの電撃が飛び出す。


 “創造主”は“帰却者の左手”でこれを打ち消して止める。


【ン? 消ヘタ?】

「さて、化物退治と行くか」

 “創造主”は右手を後ろに、左手を前に構える。


 もしもこの男が“花”の報告通りなら、ほとんどの物理攻撃を無効化できる、変異系(メタモルフォーゼ)ということになる。

 いや、もしもなんて希望的観測は避けよう。

 希望は砕かれ、絶望が我が物顔で闊歩するのがこの世の中だ。


 そうなれば勝てるのは、俺の左手だけか。


「“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”!」

 今までの最高噴出で“創造主”が飛ぶ。


【其ノ程度デ俺ニ殴リカカロウト思ッタノカ?】

 馬ー鹿、とでも軽く言うかのように。

 “雷”は一瞬でその大砲のような速度の拳を右に移動することで避けた。


 そして一瞬で“創造主”まで詰め寄った。


【“神鳴カミナリ”】

 そのまま“創造主”の両耳から両目にかけて手を合わせると、“雷”の両手が輝く。


 ドォォォンという、漫画的な音がよく似合うほどの爆音がホールに響き、“創造主”のいた辺りが鋭く輝いた。

 それは、ホールが揺れたかと錯覚するような程の音だった。


「……!? 何だ!? 敵襲!?」

 その音は意識を失っていた赤井が目を覚ますほどのものだった。


 他の全員も耳を塞いだ。頭がくらくらする。目の前がちかちかしたりする。


【命ダケハ取ラナイデヤルヨ。俺ハアンタニ恨ミガ其処ソコマデ有ル訳ジャ無イシナ】

 “雷”はそこで立ちっぱなしでいる“創造主”に言う。


 “創造主”は、目を見開いたまま硬直していた。


 別に直接電撃を受けた訳ではない。

 ただ、超至近距離で超爆音と閃光が爆裂した。


 “創造主”の耳から血が垂れた。

 そしてバランスを失ったのか、ふらりと倒れこんだ。


 超爆音は鼓膜を破壊し、閃光は目を焼いた。

 耳には三半規管という人間がバランスを保つための器官があるが、それも破壊され“創造主”はバランスを取れなくなったのだ。



 あっけなく、実力差、才能差を見せ付けられ、


 戦いが集結した。

歴史なんてあっけないものです。

むしろ、主人公がラスボスを倒せるなんて実際では稀なことなのです。


あっけなく、人は負けるのです。

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