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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
109/130

<4>~最終決戦!!~ (窮地を救う、眩い光。)

「あぁ、遂に俺一人か」

 “創造主”は“痛”が意識を失っているのを確認し、はぁ……と溜息をつく。


「このまま、畳み掛けましょうか!!」

 赤井は腰をさすりながらテンションを上げる。

「いや、本当の戦いはこれからだ」

 と、高原さんが顔をしかめた。


「どういうことですか? もうアイツ一人ですよ?」

「いや、戦力的にはほとんど最悪だ。ここに来ている全員の中で戦力となれるのは俺と赤井君だけだろう。桜さんも動けないだろうし、廻家さんも無理だと言っていたからな」

 成程、それは確かに最悪な状況かもしれない。


「でも、やるしかない」

 赤井は静かにそう言う。


「そうだな」

 高原もそれに同調する。


「こうなれば俺一人でも計画を実行してみせる」

 “創造主”がこちらを向いて構える。


「なぁ、赤井君。一応作戦のようなものが無いわけではない。聞くか?」

「え!? あるんですか!?」

 そんなものがあるなら早く教えてくれればいいのに。


「いや、これは作戦とはいえないがな。、だ。賭けと言っても良い。いいか、ひたすらに時間を稼げ」

「え、あ、はい。分かりました……」

 一体どんな作戦なんだろうか?


「成功すれば超高確率で勝てる。まぁ、失敗すれば超高確率で負けるだろうが、な!!」

 高原の姿が6人に増える。

 そしてまた高原は“創造主”へと走っていく。


「俺も、行くか!!」

 赤井も高原に続く。


「どんな策かな、策士高原君。だが、俺相手に時間を稼ぐなんて出来るのか?」

 “創造主”は両手で構える。


「創造:風爆(エクスブロージョン)

 “創造主”がそういうと、急に“創造主”の方から爆風のような風が飛んでくる。

 そして赤井と高原さん×6は後ろに飛ばされた。


 “創造主”の技、“風爆(エクスプロージョン)”はある程度の巨大な空気の塊を急激に膨張させるようにして創りだし、大きな風を生み出す技である。

 この出来た風は、周りの空気を押し出すようにするのでかなり広範囲にまで風が及ぶ。

 また、周りの空気は才能で出来たものではないので、“才能帰却”も効かないのだ。


「“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”」

 “創造主”は右手を後ろに構え、ジェットのような気流を創って赤井に迫る。

 そしてその左拳で殴り飛ばす。


「がっ!!」

 赤井は風に飛ばされていたこともあり、その衝撃を全て受け壁まで吹っ飛んだ。


「赤井君!!」

 全員の高原が赤井のほうを見る。


「そっちを注意していていいのか?」

 その声はすでに着地した“創造主”だ。

 “創造主”は右手をすでに前に出していた。


「創造:雷撃サンダー、形状は樹形ツリー

 すると右手から電撃が6人の高原それぞれに飛ぶ。


「ちっ!! まずい!!」

 高原は急いで5人を消す。

 だが、最後の一人は消えない。


「ようやく本体を発見したぞ」

「ぐっ!! がぁぁぁ!!」

 高原に電撃が走る。


「ふむ、お前の才能“もう一人の自分(ドッペルゲンガー)”がお前の行動である程度分かってきたな」

 倒れている赤井と高原に向かって言う。


「増やした分身の方にも質量があり、意識を共有でき、どうやら創った分身の方も才能を使えるようだ。創った方が更に才能を使って分身を創っているようなところも見て取れたからな。それほど強い才能、どこかに弱点があると思ったわけだ。その弱点ってのは、ダメージの(・ ・ ・ ・ ・)、だろ?」

「ぐっ……!!」

 高原は答えたのか答えてないのか分からないうめきを漏らす。

「でなければ、わざわざ増やした方を消す必要も無いしな」

 “創造主”は語る。


「あぁ、お前達に手錠でも掛けるか」

 “創造主”はゆっくりと歩き、高原に腰から取り出した手錠を掛けた。


「赤井君、君はよく頑張ったと思うよ。その根性、俺の仲間として活躍させて欲しいものだ」

 そして赤井の腕に手を掛けた瞬間だった。


【1億、ボルテージ】

 その声は階段側から聞こえた。

 瞬間、まばゆい光と共に電撃が“創造主”に飛ぶ。


「なっ!?」

 いち早く“創造主”はそれに気づき、左手を前にする。

 すると、雷が消えうせた。


「まさか……。やはり、“フラワー”は抑えられなかったということか……」

 振り返った先には、体中に電気を張り巡らせている男が堂々として立っていた。


【マァ、機械仕掛ケデ天災(カミナリ)ヲ止メル事ヲ出来ル訳ガ無イ、ダロウ?】


「天音……、じゃん?」

「あれは、天音さん?」

「どういうことー?」

「天音って、染山君と十島君の友達の? こんな人なの……?」

 今まで静かに黙っていた染山、相馬、十島、姫岸も思わず声を上げる。

 その姿は、ここにいる全員が知っている人だ。


 だが、その喋り方と行動、雰囲気が全く違っていた。


【嗚呼、俺ニ疑問ヲ抱クノモ無理ハ無イ。俺ハ天音雷綱デハアッテ、天音雷綱デハ無イ】

 その男は堂々とした面持おももちで語る。


【俺ニ名前ハマダ無イ、ガ、自分デ付ケタ名ナラアル。“サンダー”トデモ呼ンデクレ】

 その男、天音雷綱であり“サンダー”と名乗った男は体の周りの放電量を増やして答えた。

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