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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
105/130

<4>~最終決戦!!~ (4)

桜さんが活躍しすぎのような……

「……!?」

 赤井夢斗は気がついた。


「な、何が起きてるんだ……!?」

 腹を押さえながら気がついた赤井はそこで見た光景とは、


「驚きだな。ここまで攻撃を避けられるほどの体術まで持ってるのか」

「“風”とか“yesterday”に教えられてな」

「あー悪い。俺が倒した奴らだわ」

 “創造主”と桜が肉弾戦を繰り広げていた。


「桜さんが何でここに? ていうかほとんど互角の戦いしてない?」

 赤井は訳が分からなかった。


「確かにこの腕なら、倒したというのもうなずける。これ以上避けるのは……」

 桜のジャブを“創造主”は顔を少し傾けるだけで避ける。

「この腕? 舐めすぎだろ。実力の半分も出してないっての」

 だがそこで“創造主”の視線が一瞬そちらを向いて死角が出来たのを桜は見逃さず、左足で足払いをかける。

「なら、俺もだ」

 “創造主”はその足払いを掛けられバランスを崩すが、右手を胸の前にかざす。


「創造:風爆(エクスプロージョン)

 “創造主”がそう言った瞬間、空気の塊が爆発したような錯覚に襲われた。

「おぉ!?」

 桜はその風に5mほど吹っ飛ばされる。

 だが、そこでも桜は焦らず上手く足を滑らしながら着地する。

「ふん」

 対して“創造主”はその空気の塊に左手を合わせるだけで対処した。

 そして崩れた態勢を直す。

「才能……か?」

「あぁ。言ったろ、本気じゃないってな」

 “創造主”はそこで攻撃の手を止めず、右手を後ろに構える。

 つまり、あの構え(・ ・ ・ ・)だ。


「“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”」

 そうして一瞬で吹っ飛んでバランスが崩れたと思った桜に一気に迫った。


「お前が本気じゃなかったのは分かった」

 だが桜は、バランスが多少崩れているから攻撃を受けるなどという次元にはいない男だった。

 着地した瞬間に“創造主”の左拳が迫ったが、上半身を腹筋と背筋の力だけで瞬間的に反らし、反らしながらも両手で掴んで、反らす勢いと“創造主”が飛んできた勢いとで後ろに投げ飛ばした。

「!?」

 “創造主”は驚いた顔をしながらも、壁で着地し、そのまま地面まで降りる。


「俺は半分も力出してないって言ったろ?」

「確かに、そのようだな。こちらも才能を全力で使わせてもらう」

 “創造主”は右手を前に出す。

「それは、風を操る力か? さっきの突風みたいな爆発的な風も、自分が吹っ飛んできた“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”ってやつも右手から風出して自分から吹っ飛んでたんだろ?」

「よく、気づいたな。“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”の方は気づかれにくいんだが」

風の感じ(・ ・ ・ ・)だ」

「仙人かよ」

「だが、こういう組織のトップに君臨してる男がそんな風を起こすだけの才能とは思えないんだよな」

「何故そう思う?」

「勘だ」

「勘かよ」


「桜さん!! その人の才能は“創造主の右手クリエイターズ・ライト”と“帰却者の左手キャンセラーズ・レフト”って言うんです!! その“創造主の右手クリエイターズ・ライト”は火でも氷でもとにかく生物以外なら何でも創るって才能です!! 左手はあまり関係ないですけど……」

 赤井はその会話に割って入り、桜に説明した。


「起きてたのか」

「成程な、そうかそうか。それなら納得だ。で赤井君、その“帰却者の左手キャンセラーズ・レフト”ってのは何なんだ? どんなものでも戦闘に活用できないものは無い。教えてくれ」

「は、はい。“帰却者の右手キャンセラーズ・レフト”っていうのは、俺と同じ才能を消す才能です」

 なんだか俺、“創造主”の説明係になってないか?

 さっきからそう思い始めた。


「分かった、ありがとう。それなら確かに才能者を束ねるトップの才能として間違いなさそうだ」

「ふう、バレたか。まぁ別に構わない」

 そこで“創造主”は右手を銃の形にした。


「創造:拳銃(コルトパイソン)。能力付与:反動0(・ ・ ・)、弾丸は“創造主の右手クリエイターズ・ライト”により無制限(・ ・ ・)、.357マグナム弾」

 “創造主”の手の中に拳銃が出てくる。


「そんなものまで創れるのか。ん? 反動0? 無制限?」

 今の“創造主”の言葉におかしなところがあった。


「何を言っている? 俺は何でも創造できる。文字通り、な。つまり、有り得ない(・ ・ ・ ・ ・)ような(・ ・ ・)空想の物(・ ・ ・ ・)でもだ」

 バンと大きな音を立てて拳銃(コルトパイソン)が火を噴く。

 “創造主”はそんな大型口径を片手で撃っているにも関わらず、全く右手を動かしたような様子は無い。


 その弾丸は桜の顔の右横を大きく逸れた。

 拳銃を片手で撃てば、外れるのは当たり前だ。


「弱点といえば、両手で撃てない事か。“帰却者の右手”のせいで、触れた瞬間拳銃が消えるからな。だが、弾数無制限なら多少外れようが問題はない」

 そのままバン! バン! と撃つ。


「やばい!!」

 桜は集中して銃口を見、弾が飛んでくる方向を予測し、避ける。


「いつまで持つかな?」

 反動がない分、コルトとは思えない速度で弾が飛んでくる。


「一発即死じゃねぇかそれ!?」

 そうは言いつつもしっかりと避ける桜。

 そしてそのまま間合いを一気に、一瞬で詰めた。


 それは、銃を撃つ“創造主”にとっては瞬間移動したような、身体が伸びたような錯覚に襲われる速度だった。

「な!?」

「地脈を縮めるがごとく。歩法、縮地」

 “創造主”が拳銃を桜に構えるよりも早く、右拳をその無防備な腹に振りぬいた。

コルトパイソンについての説明を。

高威力のマグナム銃で.357マグナム弾使用の旧式リボルバーなんです。

何より見た目がかっこいいんですよー。

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