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Skills Cross  作者: 敷儀式四季
第五章
101/130

<4>~最終決戦!!~ (1)

タイトルの通り、最終決戦です。


ではっ!!

「問題は白道の才能だな。白道、少し話をしないか?」

 “創造主”はいたって平静に話を始めた。

「何だぁ? 俺に話かぁ?」

 白道は答える。

「白道、今まで払う予定だった金の3倍(・ ・)出そう」

 淡々と“創造主”は、

「マジかよ!!」

 究極的な発言をした。


「っておい!!」

「いやいや、3倍かよぉ!! ってことは、ひい、ふう、みぃ、よぉ……」

「本気で数えてんじゃねぇっての!!」

 赤井が必死に突っ込むが、白道の顔はキラキラと輝いている。


「確かに、白道にとっては有効すぎる手だな」

 太陽も忌々しげに呟く。

「そうだ祈さん。貴女も私達の仲間になりませんか? 貴女は仕事と私生活を分けられる人だ。白道さんと同じ分の給金は出しますよ?」


 “創造主”は祈も誘ってきた。


「ふーん、そうね、とてもいい話だわ」

 祈も好感触な反応だった。

「お姉ちゃん!?」

 これには叶も驚く。


「でも、」

 だが、祈はこう続けた。


「私、勝てる見込みの無いところにつくつもりは無いの。そこの白道と違ってね」

 と、ばさりと“創造主”を切り捨てた。


「何か、かっこいいじゃん。理事長先生」

「戦うー、女ー?」

 生徒達からも色々といわれる。


「それに比べてこっちの大人は……」

 赤井が見た方向は白道のほう。

 白道は眉間にしわをよせて本気で考えていた。


「白道! 俺とお前の仲だろうが! 俺達の方にいろって!!」

 太陽も必死に説得を試みるが、あまり聞いていないようだ。


「白道にはそんな誘い方は駄目よ。交渉ってのは、こうやるの」

 太陽を尻目に祈が前に出てくる。


「ねぇ白道。じゃあ、これならどう?」

 祈は服の内ポケットから何故入っているのか分からないが電卓を取り出したたき出した。

 そして、白道に見せ付ける。


「マジ?」

「あなたがこっち側についてくれて、それにこの戦いに勝ったら考えるわ」

「乗った!!」

 祈が言ってから0.3秒という速度で白道が答える。


「結局お前は金なのか、モラルってもんは無いのかよ……」

 赤井がうなだれる。

「よく考えてみろってぇ。俺は命を掛け金にしていままで稼いできたようなもんだぜ? 高い方がいいだろうがよぉ」

 白道の信念は変わらず金のようだった。


「しょうがないな。なら、まずは白道の目を封じよう。そこからは“痛”、お前の出番だ」

「了解。ただし、赤井のほうはアンタに任せるぜ? 流石に“才能帰却”は相手に出来ないんでな」

 “創造主”と“痛”はなにやら話し合っていた。


「ペイーン、クラッシュ!!」

 “痛”は何か叫んだかと思うと、赤井を除く全員が壁に何かの力で引っ張られるようになる。


「こ、これは!?」

「何、簡単なこと。“超・念能力”で壁に向かって垂直な力をかけてるだけ。こういう風に極めれば、他の才能の代用だってできるって寸法さ」

 立っているのは赤井一人だけとなった。


白眼視(ホワイトアイズ)!!」

 白道が壁に貼り付けられたままの状態でそう叫ぶと、全員の身体に掛かっていた力が解除される。

 “痛”の動きが時間が止まったようになる。


 ここにいる全員がこの才能を知っている。


 “蛇女(ゴーゴン)の目”は、見たものの全ての時間を止める。

 ゆえに、どんな物体からの干渉も受け付けない、つまりダメージを受けなくなる。

 止まっている間の意識は無くなっていて、才能を受けたものは時間の錯覚を起こす。

 この攻守に優れた才能があるからこそ、“創造主”も白道を仲間にしようと思ったのだ。


「気をつけろ!! これは――――――」

「“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”」

 白道の言葉は、“創造主”の拳によって止められた。

 “創造主”はこの全ての時間を止めるという状況下でも動いていた。

 白道の身体がくの字に折れ曲がる。

 そして殴られた瞬間から、また赤井以外の全員に壁に向けて垂直な力が掛かりだした。


「ど、どういうことじゃん?」

「白道さんのー、才能がー、聞いていないー?」

「んな馬鹿な!! 白道の視界にあの男は入っていたはずだぞ!!」

 上から染山、十島、太陽が今起きた状況について不思議に思っている。


 そうだ、俺以外みんなアイツの才能については知らなかったんだ。

 廻家さんは教えてた様子も無かったし。


 しくじった!!

 多分口調からして白道は知っていたんだろうけど……。


 早く説明しないと!!


「アイツは二重才能(デュアルスキル)なんだ!! 一つは“創造主の右手クリエイターズ・ライト”、これは全発能力(メイカー)系才能の頂点に立つといわれる才能で、これは炎だろうが氷だろうが何でも作れるそうだ!! そしてもう一つ、“帰却者の左手キャンセラーズ・レフト”、これが厄介でな!! それに触れたものの才能を全て消す!! 俺の才能の左手版だとでも思ってくれたらいい!!」

 赤井は急いで全員に説明する。


「どうして俺の才能を君が知っているんだい? あぁ、廻家が教えたのか」

 創造主は平然としている。


 みんなの顔は赤井の説明を聞いて、絶望していた。


「おい、待つじゃん。それって……」

「勝機がー、見出せないー」

「俺は才能が無いけど……、その“創造主の右手”ってのが厄介だな……」

「どうりで、未来が見えないはずよ……」

「となると、私の才能も効かなくなっちゃうのかな……」

「篠崎!! 大丈夫!? こんな体勢だけど気分悪くなったりしてない?」

「私は大丈夫。紅は今の状況にちゃんと絶望しよう……」

 後半の方は話が変わったような気がするが上から染山、十島、太陽、祈、叶、紅、篠崎がこう言う。


 赤井は今どう動こうかと悩んでいた。

 それが、隙となってしまった。

 

「“消し去る砲弾(キャンセルカノン)”」

 遠めにいたはずの“創造主”が一瞬で間合いを詰めてきて、赤井もその左拳の餌食となった。

ちょっと絶望ムードが漂ってきました……。


っていうかラスボスあたりの才能強いなー。

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