2章-39話 大精霊ソルアルディア ②
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「サキさん!レンカさん!!」
倒れ込んだ2人駆け寄ろうとするアシュレイだったが
「喝ッーー!!!」
ソルアルディアの覇気により空間が振動し緊張がアシュレイ達を飲み込む。
「フォッフォ、これはお主の試練じゃよ、アシュレイとやら」
アシュレイ達に強い覇気をぶつけながら続ける。
「まぁ直接の仲間である赤髪と青髪のお嬢ちゃん達までなら参加を認めよう、我輩に覚悟を見せて見なさい」
——くそ、やるしか無いか。
でもヒントはあった、確かにサキさんの攻撃は大精霊に届いていた。完全無欠なんかじゃ無いんだ!
「いくよ皆んな!イグニスは僕の反対側から!サフィアは足止めを意識して攻撃を頼む!」
「「わかりました!」」
「「【フィジカルアップ】」」
【ウォーターウェーブ!】
サフィアが水の波を作り出し前方に向けて放つとアシュレイ達がそれを目隠しとし接敵していく。
フンっ!と波を物ともせずソルアルディアがウォーターウェーブを殴り蒸発させるが。
そこへ波の背後から飛び出し、攻撃を仕掛ける!
【パワースラッシュ】【エアスラスト!】
が、「フォッフォ!」
アシュレイの攻撃を拳で防ぎ、イグニスの風属性を纏った魔槍による突きを体を捻って躱わす。
「その槍の力はそんなもんでは無いぞ?どれ少し手ほどきしてやろう!フォッフォ」
【陽輪結界】
そんな事言いながら太陽の結界を発動すると、イグニスとソルアルディア以外が入ることの出来ない結界が発動される。
「イグニス!!」
「大丈夫です!やって見せます!」
【エアラッシュ!】
「ほれ!頑張れ頑張れ」
【ラッシュ】
「ぐっぬぅぅあぁ」
次々とぶつかり合う槍と拳
だが徐々にイグニスの方が力負けし後ずさる。
「直線的すぎるのぉ?お嬢ちゃんはカウンターを取り入れる動きをすると良くなるぞ?フォッフォ」
「まだまだぁぁ!!」【ダッシュスラスト】
「フォッフォ、若いのぉ————まぁそれも良いがな、後で良く考えて見なさい」
イグニスの特攻をヒラリと躱し回し蹴りを決め。
「ぐふっぅぅ」
「イグニース」
「少し寝てなさい」【烈拳】
炎を纏わせた右ストレートを追撃で腹に決めイグニスを吹き飛ばしイグニスはそのまま意識が手放した。
「イグニスさんをよくもー!!」
【アクアスパイラル!!】
いつでも魔法を発動できるよう準備していたサフィアが、太陽の結界が解かれると同時に自身が打てる最大魔法を放つ
「フォッフォ判断力は丸じゃな?まだ力が伴ってないがの」【陽炎・瞬】
魔法が到達する直前、ソルアルディアの体が揺らめく。
すると、いつのまにかサフィアの目の前にその姿を表した
「…………え?——ガッッ——ううぅ」
【烈拳】
その一撃によりサフィアが倒れ込み動かなくなる。
「うおおおおー!」
【ラッシュ!!】
「それで?こんなものか?小童」
「くそぉぉ!!」
怒りに任せ連撃を放つも軽くあしらわれてしまうアシュレイ。
————差がありすぎる。
どうする?こんな時用にワープの宝珠はある…………なんとか皆んなを回収して脱出を。
「フォッフォ逃げの手を考え始めたか?」
アシュレイの目の前に光速で接敵すると次々と強力な一撃を放っていく
「な!?――――グッ」
【ハイガード!】
「フォッフォもっと集中しないと何もなさず死ぬぞ?」
【烈火連拳】
「ぐぁぁぁぁ!…………」
「フム、フォッフォいい事を思いついたぞ?小童」
「グッ、何の事だ?」
【日輪牢】
精霊魔法の発動と共にイグニスとサフィアが1つの牢獄に閉じ込められる。
そして、牢獄の上に日時計が現れるとその時を刻んでゆく
「10分やろう、その間に我輩を納得させられなければ牢獄を燃やし尽くす」
「………………は?」
「今の小童はつまらぬ、少しは本気――に、フォッフォ」
【烈火連拳】
【シャインブレード!】
何度も何度も激しくぶつかり合う火拳と光剣が空を裂き、強く踏み込んだ足が大地を砕く。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「もっと本性をさらせ小童!まだまだ理性が残ってるぞフォッフォ——真実を見せて見ろ」
「黙れぇぇー!!」
【ダブルスラッシュ!】
「楽しくなってきたのぉ?」
陽炎・像】
アシュレイがソルアルディアを切り裂くもカゲロウのように消えてなくなる……。
そしていつの間にか五体の分身がアシュレイを取り囲んでいた。
「早くしないと時間が無くなるぞ?フォッフォ」
そこからは地獄のような時間だった。
必死に攻撃を仕掛けても本体が次々と入れ替わり刻一刻と時間が過ぎてゆく。
「何が…………何がしたいんだお前ぇぇー!!」
【トルネード!】
「それでは届かぬよ」
【ファイアトルネード】
竜巻同士がぶつかり合い、相殺されたもののアシュレイが力負けする形で余波が飛んでくる。
「グアっっっ」
「後2分と言ったところか?お主では勇者になりきれんと言う事か——残念だのぉ」
………………2分?
ダメなのか……
今までの全部がこんな所で終わるのか?
………………まだ大天使とも戦ってすらいないこんなところで。
ボクは。
諦め目を瞑り涙が流れ落ちる。
そんな時、ダンジョン内に大きな声が鳴り響いた
【我がいるぞ!新魔団は必ずかーーつ!!】
そんな声と共にダンジョンが大きく振動していく。
「何じゃ?この揺れは………………ダンジョンのエネルギーが減っておる何故!??」
【エリアサーチ】
「——ファ??——ま、まさかダンジョンの力が奪われているじゃとおお!!??」
原因を確かめる為ダンジョンに意識を向けるソルアルディア
「扉の先で、床に突き刺した魔剣からエネルギーが吸い取られているじゃと?——馬鹿な真似わよさんかぁぁぁー!!」
ソルアルディアは扉に向かって走り出す!
そんな事をされればダンジョンが崩壊し、中にいる全てのものが無事では済まなくなる。
…………だが
ドカーーーン!!と走り出した地面が爆発!
「ぐっぅ!何が!?——なぬぅぅ??」
グサッと脇腹に風でコーティングされた槍が突き刺さる。
「ガフッ……まだ、動けるじゃと?」
「はぁはぁ、ふー、ハーハッハッハ!よくもやってくれたわねクソジジイ!もう負けないわよ!」
「新魔団は絶対負けないんデス!!」
ルクの呼び声に答えサキとレンカがボロボロの体で立ち上がる。
「邪魔をするな小娘どもぉ!!」
完全にブチ切れたソルアルディアが熱を放出し、レンカを弾き飛ばしサキにツッコミむとその拳がサキの胸を貫く。
——かに思えた。
だが、ソルアルディアの拳に確かな手応えがない。
「ぬ??」
よく見るとサキの体が揺らめいていた。
【ファイアボディ】
サキの体が炎に変わり物理攻撃を無効化したのだ。
「なぬ!!??自然化じゃと??」
「アシュレーーーイ最後くらい頑張りなさいよ!!」
【エクスプロードォォォ!!】
そして立ち止まったソルアルディアに大爆発を叩き込み、全ての力を出し尽くしたサキが倒れ込む。
自身の自然化は膨大なMPと精神力を使う究極の魔法の1つ、一瞬ですら発動出来ただけで奇跡なのだ。
そして防御を捨て突っ込んだ事により、もろに大爆発をくらい吹き飛んだソルアルディアの前にアシュレイが立つ。
「何を僕は弱気になってたんだ、まだ誰1人諦めてないじゃないか。それに僕はもう諦めないって決めたんだァーー!!」
【精霊憑依:来い!風精霊ヴァーユ】
「ぐっ、小癪な真似をしおって小娘共!精霊憑依を我輩の前で使えないと言ったはずだぞ!」
『喝ーーー!!』
大精霊の覇気に風の精霊がブレる…………しかし。
【ヴァーユお前は僕についてこい!!ウオオオオオ!】
アシュレイの雄叫びと共に強引にヴァーユを憑依させる。
完全な力技による精霊憑依だった。
そして即座に全ての力を注ぎ込んだ最強の攻撃を放つ!
【テンペストブレイカー!!!】
「ぬぅ」【陽炎・防】
アシュレイのテンペストブレイカーを防御しようとするソルアルディアだった…………が。
その後方、完全にソルアルディアの意識の外からレンカが高価な装飾の付いた筒を手に持ち
——パンッ!
引き金を弾くと銃声音が響き、一瞬ソルアルディアの動きが止まる…………。
それは倒れ込みながらも放った魔導銃によるレンカの土弾、しかも見事に頭部に命中させクリティカルを出すという遠投補正がついたレンカだからできた芸当であった。
たったの一瞬、だがこの状況においてその一瞬が勝敗を分けた。
「ぬおおおおおおっっっ!!」
雄叫びと共にソルアルディアが嵐の鉄槌に呑まれはるか後方に思いっきり吹き飛ばされる。
…………そして、静寂の後。
日輪の牢獄は消滅していた。




