目が覚めて
C-? クロニカ病院 Cc-02 レイナ視点
目を開ける
「ここは……。」
「やっと目を覚ましたのね、今週だけで何回目?先週含めたら20回は超えるし、その度に無理するなって言ったわよね?……って、聞いてるのかしら。」
そう言う彼女……ケセラに目移しもせず、いつも通り荷物置き場を見る。壊れかけの剣と荷物袋を手に取り、病院を後にしようとドアに手をかける。
「待ちなさい、いくら貴方が怪我がすぐ治るようなおかしい身体としても流石に戦闘はまだ控えた方がいいわ。」
「でも──
「でもじゃないの、貴方が倒して所持してたアイテムは換金しといたし、好物のパンプキンパイもワンホール分買っておいたし、新しいクエストも取っておいたし、とにかく今日は泊まっておきなさい。」
「………………わかった。」
ケセラに手をひかれ病室にある椅子にこしかけ、有名どころのパンプキンパイを持ってきてもらい食べ始める。
ケセラ・クロニカは齢15に論文を出して、今では名医と言われる程の凄腕の女性だ。弟子も多く、今は僕個人の担当医として動くことが多い。そのおかげで、病院内で目が覚めてすぐしておきたいことも先程のように先回りされることがあるぐらいだ。
僕はパンプキンパイを食べ終わり、久々に自分のデータベースにアクセスをすることにした。単なる暇つぶしにも自身の把握にもなる。
『アクセスコード──認証
おかえりなさい、Cc-02。』
過去の話をしよう、それは僕の始まりの話。
『貴方、大丈夫!?こんなボロボロでどうしたの!』
僕は昔、病院の目の前でボロボロの服やら身体で突っ立っていたらしい。記憶もなく、誰も知るものがいない状態。暫くは意識も返答も朧気なままにケセラに介護されていた。
今いる〈C地区〉で暮らす以上、人には認識コードが割り振られている。僕にも少なからず割り振られていたらしいが、それに基づくデータベースは全てがわけの分からない物だったらしく、データの損傷という扱いで1からデータを取る事となった。
今の僕は、冒険者ギルドに所属しているクロニカ病院の専属冒険者として生きている。病院に何かがあれば出動、それ以外は普通にダンジョンに潜って素材回収をして日々を過ごす。
記憶が戻るまではずっとそのままだからこそ、手がかりがないかとダンジョンに潜っているのもある。ダンジョンの生成は基本的に核となる程の物や記憶だ。言わば、九十九神みたいなの=ダンジョンと思えばいい。今のところ、自分の手がかりはないけどいつかは見つかると楽観視している状態。
先程、ケセラに言われたような体質みたいに、普通の人との特異点がいくつかある。1つは怪我の治る速度、あと身体能力にもう1つが武器生成。武器の作成や修理などが日々の鍛練で出来る人はいるが、僕みたいに無から有へ生みだすタイプは普通に考えたらいない。出来ても神様みたいなものだ。
僕の武器生成からできた武器は、直すことが出来ない上に使い方が雑だとすぐ壊れる。あとは僕以外に扱えた試しがない。
……武器の話をしていたら色々したくなったことだし、僕はいつもみたいにこっそり病院を抜け出した。
TIPS 武器生成時のエフェクト等について
フォルダのような物を空間に出現させ、手をかざすと武器が現れる。瞬間的に出すこともできる代物。他の人では今のとこ触れることも出すこともできた試しがない。




