D-00-12184
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黒だけが存在する、外見はまるで正方形の箱のような空間。扉とカラフルなランタンが混在してるような場所にさまよう魂が1つ。
赤の扉が開く。
『「事故だ!」「誰か助けろ!」……悲鳴と叫びが飛び交う中目の前いっぱいに広がる赤。視界がぼやける中、近づいてくる得体がしれない黒、黒、くろ、くrrrrrrrrrrrrrr
意識がシャットダウンされて元の空間に戻された。目の前の開けっぱなしの赤の扉には事故の詳細が載った新聞が落ちていた。
青の扉が開く。
『好奇心は猫を殺す。とは言うが、こればっかりはただの自業自得でしかない。図書館の中、1人禁忌に触れたばっかりに死んでしまうのだろう……あぁ、やだ、まだ……真相が……』
いつの間にか元の空間に戻っていた。開けっぱなしの青の扉には本が天井に届きそうなほど高く積みあがっていた。……この空間に果たして、天井という存在が、または概念があるのかは不明だが。
紫の扉が開く。
『「救われないね、主も私たちも。」……病院のベッドに横たわる死にかけの人間にはドス黒い何かが大量に付着していた。
どんどん付着した何かがその人間を侵食してるのにも構わず、手を握ったままの彼女は諦めた笑みを浮かべながら一緒に永遠の眠りについた。』
また元の空間に戻る。開けっぱなしの紫の扉に、今度は質素なベッドと綺麗な花が生けてあったであろう、壊れた花瓶が置いてあった。
扉が開く、扉が開く、扉が開く。
そうやって何度も……永久のように彷徨い続けた、12184個目となる黒の扉。おいでおいでと誘いかけるその扉に触れた瞬間、意識を失った。
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B-? 〈研究地域〉 ??視点
静かな空間に水滴の落ちた音が響き渡る。ずっと脳に直接聞こえてくるあの声よりかは随分、落ち着く音だ。
『ハヤク、フレロ、アノコ二、フレロ』
「毎度の如く、飽きないものだな。」
この声の正体は分かりきっている。自分であった身体を蝕んだモノでもあり、自分自身でもあるモノ。予想するに、きっとこの声が告げてるのはもう1人の自分と言える、あの子のことだ。取り込みきれずに“俺”という存在を作ってしまい、余程悔しいのだろう。
煩い声から気をそらし、人ひとり居ない空間に目を向ける。ガラス越しに目に映る景色は、あの頃の活気1つない廃れた研究所。
本当だったら何も見たくないし、聞きたくない。あの子が主と慕う存在だって、結局は俺たちを裏切った。それでもあの子はまだ諦めず、ここの空間で日々、待ち続けているぐらいだし……それだけどうにかなるって思ってるんだろう、現実は悲惨だというのに。
この身体を随分と理解したつもりではいる。だからこそ断言出来るが、この身体を蝕んでいるのはウイルスそのものだ。データで構成されている存在にとっては最も致命的で、死神とも言える恐怖の象徴。
だからこそ、俺は諦めたんだ。
TIPS D-00の黒い空間は割と狭かったりする




