03:三度目
「……これ、俺が何かしないといけないのか?」
まだ二回目ではあるが俺が悪霊を大量に祓うなどしないとあちらが厳しいとかあるのだろうか。
ただ裏チートキャラの印象は表キャラが選択をして俺が出てくるみたいな感じだ。
そこら辺は一切説明を受けなかったから違うのかもしれない。俺が自由にしていいのかもしれないがそれなら裏とか使わないだろう。
こちらはこちらでしなければいけないことがあるのだとは思っている。
「うーん……まあ進めてみないことには分からないか」
考えても仕方がない。あちらが死ぬ前に進めれるところまで進めておこう。
せめてどんな人なのかは知りたいとは思うが考えてもしょうがない。
「ハッ、また無双ゲーか」
経験値ではなく戦闘経験値を得ると思って大量の悪霊を倒すことにしよう。他の十二神獣もどんどんと使ってスキルの理解を深めよう。
☆
これ、進めれば進めるほどやり直したらやる行程が増えるってことか。できることならこの三回目で死ぬのはやめてほしいなと思いつつさっきと同じロールミッションまで最短でたどり着いた。
いや、それはあちらも同じで最短でやれるから効率はよくなるはずか。
俺は残穢の追跡のロールミッションをひとまず置いておき地下を探索することにした。ここで何が起こったのかまた文字が書かれていないか気になった。
「おっ、あった」
ロールミッションになかったから望み薄だと思っていたが服きれの下にあった。
こういう調べなくてもいいけどちゃんとある情報は回収しておきたいんだよな。ゲームでもそうだったし。
『おなかすいた。
のどかわいた。
外に訴えかけていた人も元気がない。
あれから二日経った。
もう意識もしっかりしていない。
だれかなぐった。
けんか
たべてる
ぐちゃぐちゃ』
うお……悲惨なことが起きたのは言うまでもないがそれでも俺が想像できないことまで起こっていたんだろうな。
文字はこれくらいであとは残骸しか残っていない。だから俺はさっさと残穢を追うことにした。
残穢を見た時から分かっていたが、残穢は続いている。呪いを垂れ流している状態だからこんなにハッキリと残穢が分かるのだろう。
まああまり世界観は分かっていないから分からないんだが……これくらい垂れ流しても平気な奴は強いという認識で合っているのだろうか。
分からないから今は追うことに専念する。
残穢を追えば壁の先に続いていることに気が付いて蹴って壁をぶっ壊す。その壁はただの壁ではなく隠し扉で先に道があった。
残穢を追いながら完全に整備されているコンクリートの道を進む。
残穢は真っすぐ進んでいるが曲がった先にある扉にも続いていた。つまりは曲がって部屋に入ってまたこの道に戻ったということか。
それなら行かないわけがない。
てか扉が壊されているし血が通路まで出て乾いているし残穢を見るまでもなく中で何かあったと分かる。
『ロールミッション:再び残穢を追跡する』
部屋に近づけばロールミッションが更新されたということはここに入ることが正解だったのか。
部屋の中は観察しているようなモニターなど設備が整っている場所だった。まあ例に漏れずちゃんと悲惨なことにはなっているが。
機械も破損してつく感じじゃない。だがアナログで記録されているものなら見ることができた。
血濡れている日誌を手に取りパリパリになっていて全部は読めないが読むことができる部分をめくる。
『第五回蟲毒・二日目
これまで通り空腹による意識低下で殺し合いを始める。
極度のストレスによる殺し合いは質が良く、よき蟲毒を生むことができる。
だが失敗に終わる。
最後の被験体は死亡した後、魂が耐え切れず炸裂し失敗。
まだ蟲毒の質が良くなかった模様』
この蟲毒が何回も行われていたってマジか。
別のページも見れるところがあったからそこも開く。
『第七回蟲毒・一日目
今回の被験体は小学生一年生から三年生の男女十二人。
稚拙さ故の純粋さが魂の強度に足ると考え被験体とした。
だが失敗に終わる。
稚拙過ぎた故、状況が飲み込めず発狂し叫び、それが連鎖し狂って蟲毒が行われずに死んでいった。
残ったのは思念だけだったためこの場を呪いで満たすことには成功した模様』
この被験体たちは誘拐とかされていたのか? こんな学校の真下で? いやそもそも蟲毒が行われている時にこの学校があったのかは分からないが。
そして最新のページも見ることができたがそれ以降は白紙になっていた。だがそのページは全く違っていた。
『第九回蟲毒成功被験体「鬼姫」観察記録・二十五日目
鬼姫は順調に成長していた。
連れてきた人間や悪霊を残さず喰らい順調に成長している。
このまま行けば陣を最高率で運用することができるだろう。
だが懸念点をあげるとすればその食欲だ。
明らかに食べる量が異常である。
だからこれほど早く成長することができたということでもある。
蟲毒の成功体をどう利用するにせよ、慎重に行動しなければならない』
あぁ、やっぱり鬼の、しかも女の鬼なのか。
しかもかなりの人間を食べている様子だ。上は蟲毒じゃなく、鬼姫の食事処として逃げられないようにしていたわけだ。
百鬼夜行やら魑魅魍魎の陣について何か情報がないかと調べたがこれ以上の情報はなかった。パソコンが無事だったら何か分かったかもしれないが。
ともかくここは何もないわけだからさらに先に進むことにした。
残穢を追跡するのは容易く見なくても簡単に追跡することができた。暴れたように進んでいるのか、通路にそのあとができている。
「……これ、校舎に行っているのか」
見取り図を手に取ってどちらの方角に進んでいるのか分かるからどこに進んでいるのかを確認すれば校舎の方角だった。
鬼姫を祓うことになるのかと考えつつ進んでいると文字が出てきた。
『他プレイヤー四人』
『他プレイヤー三人』
『他プレイヤー二人』
「……これって」
三度目の一斉に三人死亡通知が来た。
だが三度目になってようやく俺は何となく向こうの状況が分かった。
三人と一人の二グループは状況が違うな。
その状況は分かれているから違うのか、俺みたいに一人がスキルを持っているのかは分からないがおそらくその二つなのだろう。
そうでなければ三回も同じ状況にならない。俺的には前者だと予想しておこう。
まあ一人が喰われないにくい体質かもしれないがそこら辺は分からない。
さて、こうなれば時間を空けずにもう一人が死んでしまうだろうな。でも一人が分かれているのならまだ分からない。
急ぎ残穢を追跡していれば破られた扉にぶつかった。
やっていることはともかく、学校の下のこの空間にワクワクしつつどこにつながっているのかと火を出して確認すればまた広い空間に出た。
「ん!?」
地面を見ればどこからどう見ても魔法陣のようなものが描かれていた。しかもかなりの呪いが満ちている。
もしやこれが魑魅魍魎の陣とやらなのか。だがそれだと向こうよりも早く目標を達成することになる。
いや、そもそも俺と向こうの目標は一緒なのか? そこを勘違いしている可能性があるのか。俺には俺の裏チートキャラの目標があり、それをクリアしなければ向こうもクリアできない的な。
ロールミッションを見れば変化していることに気が付いた。
『ロールミッション:魑魅魍魎の陣の一角を破壊する』
一角? 一角ってことはここ以外にもあるってことなのか? ……よく見れば確かにこの陣はどこかに繋がっているように見える。流れがそちらに向かっているのが分かる。
指示があるのは別に構わないがその指示に説明がないから想像を膨らませるしかない。てかこれはどうやって壊すんだ?
「神虎」
とりあえず広い空間であるため神虎を顕現させ神虎の雷撃で陣を破壊する。
陣に描かれた文字を破壊したことでこの場に満ちていた呪いが消え、流れが止まった様子だ。
『ロールミッション:さらに魑魅魍魎の陣の一角を破壊する』
またか。でも魑魅魍魎の陣の一角がどれくらいあるのかは分からないが、魑魅魍魎の陣を破壊するにはそれをするしかなさそうだ。
どこにあるのか分からないってのに今度は工程を無視して指示してきた。まあ工程を無視するってことはそれだけ自由にしてもいいってことか。
下の見取り図があれば行きやすいんだろうが……さっきの監視室に何かあるだろうか。でも見た感じなさそうだったし……でも探してみるか。
『残りプレイヤー一人』
『裏チートキャラ以外のプレイヤーが全滅しました』
『ロードします』




