秘密の恋
『え? 高校生?』
『……まずいよね、やっぱり』
『……でも、透子ちゃんは好きなんでしょ? 困って私にメッセージくれる位には』
『うん。好きなの』
『私は反対とかしないよ。世間的にまずいとかとやかく言う人もいると思うけど、友達になるなら有りじゃない?』
『友達……?』
『そう、友達。とりあえず、高校卒業して成人するまでは。それからのことは2人で話し合って決めたら? 付き合ってるの?』
『付き合ってないよ。前に告白されたけど』
『それならゆっくり2人で話してみなよ? 応援するから』
『ありがとう、佳代ちゃん』
『今は成人年齢18歳だしね。もし、2人が本気なら、親を説得するとか出来るでしょ?』
『うん、頑張る。だけど、こういうの慣れてなくて……』
『そうそう、頑張れ、透子ちゃん美人さんなのに、恋愛経験あまりないからね……悩むのもしょうがないよね』
佳代ちゃんは私に頑張れのスタンプを送ってくれて、私もありがとうのスタンプを佳代ちゃんに送った。
私は励まされたこともあり、夏祭りに一希くんを誘ってみることにした。
佳代ちゃんに相談をしてから2、3日後。 早速チャンスは訪れた。近田くんと偶然休憩が一緒になった。
「お疲れ様。近田くん」
私はテーブルにお弁当を起きながら声をかけた。さりげなく隣に座る。
「あ、白雪さん、お疲れ様です」
「何食べてるの?」
「カップスープとおにぎりです」
「美味しそうだね」
私は自分のお弁当を広げながら話し続ける。
「はい、美味しいです」
「そっか」
「白雪さんのお弁当も美味しそうですね」
近田くんは私のお弁当をじっと見つめる。
「卵焼き……食べる?」
「……でも」
「半分でも良い?」
「はい!」
私は食堂の割り箸で近田くんに半分に分けた卵焼きを渡そうとする。どこに置こうか迷うと、近田くんは私の手首を掴み割り箸から自分の口へと入れた。
「え?」
「ごちそうさまです。美味しかったです」
ドキッとしてる間に近田くんは卵焼きを食べてしまった。
「……どういたしまして」
今どんな表情をしているのか分からないけど、ドキドキが止まらない。気を取り直して私は近田くんに声をかける。
「あのね、近田くん」
「はい?」
「今度……夏祭りあるでしょ? 良かったら一緒に行かない?」
「え? 皆でですか?」
「皆で? 違うよ。2人で」
「本当ですか? 行きます!」
「……良かった、詳細は後で連絡するね」
「はい!」
私はドキドキしてることを悟られないようにしながら、平静を装っていた。
「皆には内緒ね?」
「はい、分かってます。言いませんよ誰にも」