年が明けて
年末年始はあっという間に過ぎて、僕と透子さんは初詣に来ていた。透子さんは薄紫色の振り袖を着ている。美しすぎて僕は直視出来ない。
初詣に来たのはお稲荷さんのあの神社だ。
僕達は昼の時間帯に来ていたのに、また人気がなくなった。
「よく来たな、透子様と一希」
「お久しぶりです」
僕と透子さんは前回も会った2人が現れた。
「久しぶりだな」
「だな」
「2人とも明けましておめでとう」
2人は僕達に頭を下げる。
「明けましておめでとうございます」
「明けましておめでとうございます」
僕達も揃って頭を下げた。
「お参りをゆっくりして行くと良い。ちょうど今、この神社に神様が帰っているからな。さっきまで退屈そうだったが、そなた達が来ることを予知して、興味津々にしていたのだよ」
「神様が僕達を?」
「人間と雪女のカップルとして有名になっているからね」
「有名だよ」
「そうなんだ……ありがとう、2人とも」
「いいえ、透子様」
「どうぞ、ごゆっくり」
そう言って2人が姿を消すと、周りに人が現れ始めた。
「行こう?」
「はい、そうですね」
僕達は拝殿の前に立ち、二礼二拍手一礼をした。
――どうか、これからもずっと透子さんが幸せでいますように……。
僕はそう祈った。透子さんもまた、何か真剣に祈っている。
――一体何を願っているのか、とても真剣だ。
僕は透子さんの横顔を見つめていると、透子さんはゆっくり目を開けた。
「待たせてごめんね」
そう言いながら肩をすくめる透子さんに僕は微笑んだ。
「大丈夫ですよ、何をそんなに真剣に祈っていたんですか?」
「これからもずっと、一希くんが幸せでありますように……って」
「え?」
「どうしたの?」
「……僕も同じことを祈りました。透子さんが幸せでいますようにって」
「本当? 凄い偶然」
透子さんは嬉しそうに笑ってくれる。
「ですよね、同じことを祈るなんて」
それから僕達はおみくじを引いた。
「あ、大吉」
「本当ですか? 僕は……中吉……どうやら学業は良いみたいです。恋愛は……上手くいくかぁ……良かった」
「私も、上手くいくって。」
僕達は微笑み合い神社を後にした。
僕は進学への準備を控え、少しずつ透子さんと離れる心の準備をしている。離れていても気持ちは変わらないと、お互いを信じて。
* * *
年末年始後のイベントと言えば、バレンタインだろう。透子さんはそういう物を気にするのか、僕にくれるのか気になる所だ。
来週にはバレンタインが迫っている。そんな時透子さんからライムが来た。




