表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/41

季節外れの……

 僕達は再び電車を乗り継いで、透子さんの自宅へ向かった。以前は玄関までだったが、今回は緊急事態ということもあり、一緒に中へ上がらせてもらう。


 日本家屋の為、部屋は全て和室のようだ。


「ごめんね、一希くん。中まで連れて来て」


「いいえ、僕の方こそ上がって良かったのか……」


「良いの」


 廊下を歩きながら僕と透子さんは会話をする。いくつもある襖を通り過ぎ1つの部屋で透子さんは立ち止まる。


「おばあちゃん?」


 部屋の前で声をかけるものの、返事はない。透子さんが襖を開けようとしていると女性が現れた。見た所透子さんのお姉さんのように見える。彼女もまた美しい。


――やっぱり透子さんの方が良い。


 内心そんなことを考えてしまった。


「透子?」


「お母さん」


「え?」


――お母さん?! 若すぎる!


 と思ったものの僕は気を取り直す。


――そうだった。彼女達は人間じゃなかった。忘れてた。


「外に雪が降ってきたの。おばあちゃんに何があったの?」


「風邪を引いたみたいよ」


「そんな……」


 透子さんは一瞬で青ざめてしまう。


――風邪の何がそんなに駄目なんだろう?


「貴方が一希くん?」


 突然僕の名前を呼ばれて僕は驚いてしまう。


「は、はい。そうです。初めまして。勝手に上がらせて頂いてます」


「こちらへどうぞ」


 案内されたのは客室なのか、和室に綺麗な畳が敷き詰められていて、真ん中にちゃぶ台が置かれている。


 3人そろって座ると、透子さんのお母さんは話し始めた。


「初めまして。私は透子の母の紗雪(さゆき)です。透子から話は聞いています」


「そうですか。改めまして、僕は近田 一希です。よろしくお願いします」


「ええ。今、私の母は風邪を引いてしまったの」


「はい」


「風邪は人間にとっては、そんなに重大なことにはならないことの方が多いけれど……雪女にとっては命に関わりかねないの」


「何でですか?」


「雪女は人間とは体の構造自体違うの。妖怪たからね。だから、人間の病にかかると雪女としての体に相当な負担がかかるの」


「……そうなんですか」


「ええ」


「何か方法はないんですか?」


 僕は紗雪さんに問いかける。


「人間の薬は合わないから……」


「でも、透子さん前に風邪引きましたよね?」


「うん、私はほら、ほぼ人間だから人間の薬も効くの。ちなみにお母さんも雪女のハーフだけど、ほぼ人間だから大丈夫」


「そうなんですね。……それなら、薬膳ならどうですか?」


「薬膳?」


「それも駄目ですか?」


 紗雪さんは考え込んでいるようだ。透子さんも視線を伏せ考えている。


「お母さん、試してみよう?」


「そうね」


「今の状態はどんな感じですか?」


 僕は透子さんのお母さんに深々とお辞儀をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ