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秋のデート

  気がつくと暑さが柔らぎ、暑い空気から肌寒い空気に変わりつつある秋の日。僕は透子さんと念願の初デートをすることになった。


 紅葉狩りに行こうという話になり、僕達は電車に乗り、何駅か乗り継いで電車を下りた。駅近辺はお土産屋さんがあり、近くにお稲荷さんの神社もある。


 僕達は落ち葉で出来た絨毯を踏みながら、森林の中へ入って行った。


「凄いね……」


「はい」


 僕達は美しさに見惚れながら、言葉を失ってしまう。


 スマホを取り出し僕と透子さんは紅葉の写真を撮る。


「あ、ねぇ、一希くん」


「え?」


「あ、いけない。近田くん、だった……」


「……良いですよ。一希くんでも」


「え? 良いの?」


「はい」


「じゃあ、一希くん」


「はい?」


「2人で写真撮らない?」


「良いですよ」


 僕と透子さんは紅葉の木をバックに写真を撮る。


「はい、行きまーす」


 僕も透子さんもあくまで“友達”だけど、こうして友達以上恋人未満のような関係になっていた。


 僕達は紅葉している木々を心ゆくまで堪能すると、透子さんが僕に提案してきた。


「この近くにお稲荷さんの神社があるんでしょ? 行ってみない?」


「良いですよ、行きましょう」


 僕達は歩きながら5分位移動すると、こじんまりとした神社が見えてきた。鳥居をくぐり参道にはお稲荷さんの石像が祭られている。

 参拝客は僕達の他にはいない。透子さんは突然立ち止まるとキョロキョロとし始めた。


「どうしたんですか?」


「うん、今声が聞こえた気がして」


「透子様」


 声の主は森林の奥の方から聞こえる。透子さんはそちらを見つめると、白い着物に身を包んだ子どもが2人現れた。僕の肩位までの背たけに、ボブカットの髪の少女達だ。頭に狐の耳が生えている。


――人間じゃない子が現れた?


 透子さんという存在を知ってしまった以上、僕はもう何を見ても驚かない。


「お久しぶりです」


 2人の少女は透子さんにかけよると、深々とお辞儀をした。


「あなた達! お久しぶりね」


「白雪さん? 知り合いですか?」


「そう。この神社にいる神の遣いの子たちよ。子供の姿をしているけど、正確には子供ではないのよ」


「こんにちは」


 僕は挨拶をすると、遣いの子たちも挨拶を返してくれた。


「こんにちは」


「こんにちは」


「透子様、人間だよね?」


「うん、そう。私の大事な人」


「透子様の……大事な人」


「透子様の大事な人は私たちにも大事な人」


 2人はそう言うと僕に笑顔を向けてくれる。


「少年」


 子供の姿の子に少年と呼ばれた僕は戸惑う。


「え? はい」


 思わず僕は丁寧語になる。子供の姿をしていても子供ではない。つまり、彼女等も相当年上ということに……。僕は何となくかしこまる。

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