祖父母
僕と透子さんはお互いの休日に2人で買い物へ出かけている。2人でスーパーで買い物をして、並んで歩いていた。とても幸せな時間を過ごしていた。まさか、それを僕の祖母に見られていたなんて。
家へ帰ると祖母が和室にいて、話があると言う。祖母は白髪頭を1つにくくり、頭の上の方でお団子にしている。
「おばあちゃん、何?」
「座って」
祖母は僕をうながし、僕は言われるままにちゃぶ台の前に座る。
「一希、年上の女性と付き合ってるの?」
「え? いや、友達だよ」
「そう……」
祖母は何とも言えない表情を浮かべる。
「どこで知り合ったの?」
「バイト先だよ」
「一希は好きなの?」
「うん」
思わず僕は赤面してしまう。
「僕が好きになったんだ。透子さんも想ってくれてる。でも、卒業するまで友達でいようと約束したんだ」
「歳はいくつくらいなの?」
「多分、30歳くらいかな?」
「……そう、ずいぶん離れてるのね」
「歳の差なんて関係ないよ、大した事ない」
「一希の大事な人なのは分かるけど、認められないね」
「おばあちゃん……」
「辰夫さんとも話してみるから」
そう言うと祖母は僕を残して部屋を出て行った。
* * *
翌日の夕方学校から帰ると、僕は今度は祖父も一緒に話をすることになった。今日はバイトのない日だ。
「一希。春から聞いたよ。年上の女性と付き合ってるんだって?」
祖父は長身で小柄な祖母と30センチほどの身長差がある。
「いや、まだ友達」
「そうか。なあ、春、別に良いんじゃないか?」
「辰夫さん!」
「今度私も会ってみたいな、その一希の好きな女性に」
のほほんとした雰囲気で祖父は緊張感なく、僕に告げた。
「おじいちゃん、ありがとう!」
「辰夫さん」
「良いじゃないか、歳の差なんて。私達も10歳は離れているんだし」
「……分かりました、一希、一度家へ連れてきて?」
「うん。分かった! ありがとう、おじいちゃん、おばあちゃん!」
* * *
僕はその夜透子さんへ連絡を入れた。
『透子さん、僕のおじいちゃんとおばあちゃんが透子さんに会いたいそうです』
『本当に? 何でまた急に?』
『この間、おばあちゃんが僕達のこと見たみたいで話したんです。そしたら、会いたいって言われました』
『会っても大丈夫かな?』
『大丈夫です。透子さんなら。おじいちゃん、おばあちゃん2人とも良い人ですよ』
不安そうな透子さんを僕は励ます。
『そうだね、一度私も会ってみる。これからお付き合いするのに、顔位合わせとかないとね』
『はい! よろしくお願いします!』
その話をしてから数日後、僕と透子さんは仕事帰りに僕の家へ寄ることになった。ちょうど夕飯時の時刻になっていた。




