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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
月夜の晩餐
96/108

バンブルビー








 袖口から死水を編んで形成したワイヤーアンカーを射出し、それを巧みに操り目にも留まらぬ速さで縦横無尽に飛び回る。


「ふふっ」


 深海は自身を一つの大きな槍として射出する。スピードを倍増したその鋭く恐ろしい一撃は蛇眼の襲撃者に放たれる。


「っ!!!」


 メシャッ


 ガードを貫き、深々と深海の足が捩じ込まれる。


「ぐぁっ……」


 蛇眼の顔が苦痛に歪み、吹き飛ばされる。だが再び深海は奴の術中にハマった。


「もらった」


 蛇眼が命懸けで捕まえ、それを無駄にはしないとサイボーグの方が熱線を放つ。


「これで、チェックメイト」


 命中したかに思えたそれは虚しくただタイルを焼き尽くすだけ。


「は?」


 ワイヤーに引っ張られ深海は未だピンボールの様に跳ね回っている。そして


「ぐぁぁぁぁっ!?」


 気づけば、もはや死に体となり身動きが取れていなかった蛇眼に突撃をかましていた。


「エミリィー!」

「っ、かはっ……」


 ついに蛇眼が倒れる。


「バカな、石化されて何故動ける……」

「蛇眼の能力は極論を言えばただの暗示。相手の動きを止めると言ってもそれは強烈な威圧によって筋肉を強張らせ、硬直させているだけ。既にベクトルを加えられた物体を止めることはできない」


 もっとも、そんな芸当が出来るのは深海くらいしかいないわけだが。まさか自分を弾丸そのものにして撃ち出すなんてどうかしているとしか言いようがない。


「オルキヌスの権能、吸血鬼の秘術、そしてなによりもその身のこなし、お前の方がよっぽど殺戮人形だよ」

「口調はどうしたエセ外人。余裕が無いのか?」

「ああそうだ。貴様たちの様な化け物にはゴリゴリだ」


 背部から何かが飛び出し、火を吹きだす。こいつ逃げる気か。そう追い縋ろうとした時だ。


 ガショッ ガショッ、ガショッ


 人間らしい外装が割れる様に捲れるとそこから姿を現したのは。


「どの口で言ってんのよ」


 思わず深海も隣で毒づく。だが


「はぁ、疲れたしあとは任せるわ」

「はいはーい」


 ほぼ同時に甲高い金属音が響き、一陣の風と共にメイドさんが姿を現す。そして


「バ、か、な……?」


 なす術もなく全ての武装を破壊され、バラバラにされたサイボーグは呆気なく墜落する。


「まさか首から下、全部義体化してたとわねぇ〜」

「き、さ……ま……」

「ま、蝙蝠共と違って勝手に治ったりしないから良いか」

「まだだ……!」


 腹を貫かれもはや身動きすら取れない蛇眼は、それでもなおその両目で僕たちを睨みつける。だが


「悪いけど、その目は僕が貰った」


 他人の力を行使するのはさっきコツを掴んだばかりだ。睨み返すと蛇眼の時間だけが止まった様に硬直する。そして


 ドスッ


 深海の黒いナイフが脳天を貫いた。














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