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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
月夜の晩餐
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魔殺しの銀弾








「チッ……」


 どうやらこちらの作戦を勘づかれている様だ。先ほどまでの力のぶつかり合いの様な戦法から一転、今は一撃離脱のヒットアンドアウェイに。


 小夜時雨を振えば小さく分裂し、回避され、背後で集合し再び斬りつけてくる。


 さっきぶった斬ってやった左腕はまだ完全には再生できてないが、フォリンクリを斬ったときよりも効果は少ない。


 そもそも亜人とはエレミュートで変異進化した人類であり、フォリンクリと違い肉体がエレミュートで構成されているわけではない。


 だが


「私が何者か、忘れてないかしら」


 特別危険現象対策部とは、もともと人の手に負えない超常的な現象や、人ならざる者達へ対抗するために設立された組織だ。


 かつてハウンドのない時代、噂や伝承から得た情報を元に原始的な方法で解決してきた。


 それこそ、伝承の中の化け物がこぞって苦手とする銀弾(シルバーバレット)の様な。


 特に私達、烏銀小隊はその色が濃い。全員が例外なく実体剣と実弾を使用する。


 そう、私たちの獲物となり得るのは何もフォリンクリだけでは無い。人は勿論、亜人にも対応している。


 ポケットから1発の弾丸を取り出す。その弾頭に腕を切断した時に飛び散った血を付着させ、浸透させる。


 甲本に宿っていた寄生体にも放った1発撃ち切りの大博打。無論外すつもりはない。


「っ、貴様!」


 撃たれるより早く、私の心臓を貫こうと剣を突き出すのを手のひらで受け、貫通した瞬間方向を変える。


 そのまま蛇の様に絡みつき、捕縛する。


「捕まえた」

「くっ……!」


 銃声が鳴り響く。ほぼゼロ距離で放たれた銀の弾丸は心臓を守ろうと構えた右腕を吹き飛ばす。


 小夜時雨の材質でもある黒銀(クロギン)。それだけでもそれなりの殺傷力はあるが、更に対象の血を混ぜ無害性を偽装、抵抗力を無視した致命的なダメージを与える手製の弾丸。


 それがこのシルバーバレット。これによって生じた傷だけはどんな化け物でも再生が著しく困難となる。


 そもそも血液の採取が出来るような隙がなかったテレサや、巨体で無数の触手を持ち、触手一本吹き飛ばしたところで大して意味が無かった甲本の寄生体と違い、万全の状態で放たれた弾丸は、サイズも小さく手足も2本ずつのコイツにはかなりの痛手。


 そしてそのダメージが更に新たな隙を生む。


「深海!今だ!」

「ええ」


 桐堂の傷が修復している。無論ただの人間である桐堂に私たちの様な再生能力は無い。つまりそれは桐堂が奴の能力の一つである自己再生を奪ったことになる。


 足を首に絡ませ薙ぎ倒し


「さようなら」


 小夜時雨が心臓を穿つ。


 貫かれた心臓から徐々に消えていく。それと同時に夜が明けるように光がさす。


「また助けられたな」

「それはお互い様よ。ただ、まだ終わりでは無いみたい」

「なんだって……?」


 確かにあの時感じ取った気配は五人だった。そして眷属を合わせ五人を始末した。だが


「メラノが襲われた時のこと、覚えてる?」

「あ、ああ」

「あの鎖は間違いなく金属だった。それだけじゃ無い、打ち合った剣もそう。似たような技を使う奴こそいたけれど、それは多分囮」


 ちょうど傘草から連絡が来る。何か情報を掴んできたのだろう。


「非常事態です、瑠花さん。警備ドローンが軒並みやられています。代わって"蟻"に警備させていますが、こちらも何匹かやられました。かなりの手練れです」


 いよいよ面倒なことになってきた。












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