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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
月夜の晩餐
87/108

渦潮





「メラノさん!!!」


 部屋に飛び込み、中央の椅子で座る女子生徒に駆け寄る。深海はその扉を閉じると小夜時雨を外に向けて構える。


「えっ、何!?何!?何!?」

「メラノさん大丈夫ですか!?変な奴に襲われたりしてないか!?」

「あ、うん。まぁ……え?何かあったの?」


 先ほどあった出来事をメラノさんに話すと部屋の端を指さす。そこには小さめの冷蔵庫が。


「アタシは定期的に輸血パックを貰ってる。それに、アタシは必ずしも血を飲まないといけないわけじゃ無い」


 確かに、よく昼休みとか一緒に弁当を食べていたがそれは普通の弁当だった。


「普通の人より消化が遅いだけで人の食べ物を食べられないわけじゃ無い」

「言ったでしょ、メラノはシロ」


 その時、窓に影がさす。ここは教室の様に再現されているが、ここはメラノさんが作った結界。僕と深海は入室許可をもらっているから自由に出入りできるが、これは


 背後を風が通り過ぎる。そして


 ガキィンッ


 刃と刃が激突する。


「桐堂!メラノ!下がりなさい!」


 気づけば深海が襲撃者と鍔迫り合いをしていた。深海の怒鳴り声に操られるように僕たちは窓から離れる。


 その時、脳裏で映像の様なものが流れる。


「っく、伏せて!」


 メラノさんを抱き寄せてその場に転がると、入り口から無数の鎖が飛び込んでくる。先端には槍の穂先の様なものが。


「深海!」

「見えてる」


 深海は目の前の影の剣を突き上げると、背後から迫る鎖を蹴り上げる。弾き返された鎖はそのまま天井へと突き刺さる。


「2つ、いや3つ……」


 そう呟くや否や、深海は怯んだ襲撃者の1人を蹴り飛ばすとその反動で僕たちの方へ飛び込む。そして


「そのまましゃがんでて」


 左手に小夜時雨、右手に巨大な死水の大剣を握り、それを力任せに振り回す。


 圧倒的な力の奔流は僕とメラノさんを除く全てを薙ぎ払い、吹き飛ばす。


 それはまるで嵐。


 少しでも頭を上げれば、一歩でも動けば巻き込まれてグチャグチャになるという確信がある。


「手応え無し。チッ、逃げられたか」


 深海は舌打ちするが、それでも最悪の事態は免れた。アイツら、間違いなくメラノさんを狙っていた。


「罪をなすりつけるつもりだったか」

「おそらく、ね」


 そう言って深海は何かを拾い上げる。


「(布切れ……?)」


 








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