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呉越






「………ふぅ」


 どうやら桐堂たちは目標を達成した様だ。確実に定期試験を通過するために私がリークした情報は"どんな手段でもボスを討伐すること"。


 その為にも私は桐堂たちにチームを組ませた。どの様なフォリンクリが出てくるかは知らないが、あの2人が組めば大体の敵は屠れる。


「さて、と」


 目の前の男に刃を突きつける。


「そろそろ答えてもらおうかしら。あなたの目的を」

「………お前こそ、なんの目的があってあんな物を守っている」

「質問に質問を重ねるな」


 なんの躊躇もなく顔面に膝をめり込ませる。


「ぶぐぉぇっ……ぶぐっ」

「まあ良いわ、教えてあげる。私は貴方と違って優しいから」

「どの口が、そんn」


 後頭部を踏みつける。


「桐堂にも言ったけれど、私の目的はフォリンクリの殲滅。その為に聖杯が必要なの」

「ハッ、フォリンクリの殲滅?先代の御子が何をしたのか知っているのか?」


 先代の御子、名を出す事すら忌々しいその男がやってきた所業。


「化妖に誑かされ、人類に敵対。数多くの能力者を殺害しその能力を奪った」

「それだけじゃ無い。奴は、俺たちの国にあの化け物を呼び寄せたんだぞ!!!!」


 彼が化け物と呼ぶそれは今私の中に宿るオルキヌスを含む4体の大型フォリンクリ。奴らはもはや災害とすら呼べる程の化け物。


 今は各地に散り散りとなり、沈静化しているが当時は壮絶な戦いが繰り広げられたのだと言う。もちろん、犠牲者もいた。


「それもあろうことかあの冥海の遣いが聖杯を守護すると抜かす。ふざけるなとしか言いようがないだろうが!!!」

「…………」


 ああ、やはりそうだ。最初から分かっていた。 私達を恨む人間は少なからずいる。だが、


 私はともかく、桐堂は悪くない。


「先日、桐堂は人型に擬態したフォリンクリの襲撃を受けた」

「………!まさか」

「ええ、あの時と同じ」


 結局取り逃してしまったが奴は私達も含めフォリンクリを敵視する人間全てが目の敵にしている、あの時は刻城テレサと名乗っていた修道女だ。


「でも彼は跳ね除けたわ」


 手も足も出なかったし一度は洗脳されてしまった。それに自力で抵抗できたわけでも無い。


 まあ、奴は規格外の強さだった。オルキヌスの力を借りた私でも死にかけた。それに洗脳を受けてしまったのもコイツが精神的に追い詰めたせいでもある。


 そう考えればトントンだろう。


「先代とは違う。それに」

「………?」

「前から思ってたのだけど、聖杯も無しに貴方たちアイツらと戦争できるのかしら?化け物を相手にするなら化け物をぶつけるのが妥当でしょ」


 エレミュート?ハウンド?笑わせる。あんなオモチャで何ができる?


「少なくとも私はこんな物で殺せないわ」

「っ……」


 これでコイツも分かっただろう。今は足の引っ張り合いをしている場合では無いと。


「…………監視を止めるつもりはない。怪しい動きをすれば即座に殺す」

「それで良い」


 もとよりそんな事は私が許さないが。


「チッ、飛んだ茶番だ」


 悪態をつくとデバイスを起動し仮想体が消失する。


「(逃げられたか)」


 まあでも、これで一つ。


「第一関門突破、ってとこかしらね」










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