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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
疑惑と焦燥
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ピンボール・マリオネット





「くっ……!」

「あらあらあらあら」


 一撃一撃が重すぎる。スピードこそ深海に及ばないが、それを補って余りあるパワー。しかも


「さあさあ、踊りましょう。1、2、3!」

「クソッ!」


 殺さないよう手加減されている。もはや敵として認識されていない。赤子の手をひねるとはまさにこの事なのだろう。


 完全に遊ばれている。


 ズルリ


 だが、余裕ぶっこいていられるのも今のうちだ。ある地点に来た途端、シスターの足取りが悪くなる。


「あら?」


 何かにつまづいて咄嗟に足を前に出す。そして


 カチッ


 起爆。轟音が鳴り響き、あまりの衝撃にシスターは体をのけぞって後退る。そこにはバラバラになったメラノさんの人形が。


 そして、また


 カチッ


 どこに足をつけても人形、人形、人形。


 もう既にここは地雷原だ。あの深海が、これほどの化け物を、なんの下準備もせずに相手するわけがなかった。


「自爆兵、メラノに無理言って作らせた甲斐があったわ」


 限界を迎えて崩れ落ちたかに思えた彼女は、折れ曲がった足を無理やり繋げ、気づけば僕の隣に立っていた。


「私も中々演技派でしょ」

「その仏頂面さえ無ければ」

「失礼ね」


 プッと血を吐き捨てると糸をたぐるように右手に掴んだ人形を振るう。それと同時にビンッとシスターの身体がまるで磔にされたかのように空中で硬直する。


「やはりね。あれほどの出力のバリア、常時展開している訳ではない。意識外からの攻撃は防げないと言ったところかしら?」

「………防ぐまでもありません。どのようなオモチャでも、私の身体に傷一つ入れられませんから」


 深海が指を鳴らすと空で何かが煌めく。彼女の愛刀、小夜時雨だ。


「っ!!」


 バリアが展開され、小夜時雨を迎え撃つ。それを見て深海は、いやオルキヌスは嘲笑う。


「可笑しいねぇ。オモチャは通用しないんじゃなかったのかい?なら、なんでそう必死になって抵抗してるのさ」


 跳躍すると小夜時雨の柄の先に立ち、勢いよく踏み抜く。


「ほら!ほらほらほらほらほらほらぁ!」


 ガンガンガンッと激しく執拗に蹴り続ける。もう既に刃はその首に届こうとしている。しかし


「よけろ!深海!」

「はい?」


 別方向からの砲撃を受け、オルキヌスは落下する。その最中に深海に戻ったようで青い瞳が捉える。


 あの光弾が既に配置されていた。罠を張っていたのは僕達だけではなかった。


 ポポポポポッ


「チッ」


 舌打ちすると深海は拳銃を抜き、次々と出現する光弾を瞬く間に撃ち落としていく。が、撃ち漏らしたモノからの光線を受け、墜落する。


 今度こそ深海の両足が死んだ。勢いを殺された小夜時雨は既に投げ捨てられ、残るは僕、1人。












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