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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
疑惑と焦燥
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汚れた血のアンク





「邪魔するわよ」


 夜の校舎へ逃げ込み、なんとかメラノの隠れ家に辿り着いた。メラノの結界が張られたここならひとまず安全だ。


「あ、瑠花ちゃんいらっしゃい。仕込みは終わったよ〜、智恵ちゃん達も手伝ってくれてね、ちょっと早く終わっ……って、どうしたのその怪我!?」

「私のことは良い。それより桐堂」

「え?廻影くん……?」


 メラノは座っていた椅子を倒しながらフラフラとした足取りで桐堂に近づくと


「ぅわぁぁぁ良かったよぉぉぉ」


 泣き喚きながら桐堂に縋り付く。


「手伝わないなら邪魔よ」


 足で払いのけ、適当な椅子に桐堂を座らせる。そう簡単には見つからないと思うが、今のうちに出来ることをしておきたい。


 桐堂の額にそっと指先を当て、集中する。


「やっぱりね」


 どうやら頭に異物が仕込まれていた。直接脳にブッ刺しているわけでは無く、肉体的なダメージはないが恐らく聖杯に干渉しようとしている。

 

 形状はやはりというべきか、十字架の形をしている。先代もまた誑かされた訳ではなく、こうして傀儡にされてしまったのかもしれない。


「けど、今回はまだ間に合う」


 奴が私の生みの親と言うのなら、奴に出来て私に出来ない道理はない。根を張る前に取り除く。


「わっ、て、手が……!」

「ビンゴ……っ、くっ」


 ズルリと手が沈んでいく。成る程、一時的に吸収される事で侵入を可能とする訳か。気を抜けば持っていかれる。


 その時、外の方で激しく殴打する様な音が。十中八九奴だ。


「メラノ、出力を上げて。見つかってるわ、このままだと破られる」

「分かってる……けど……っ!」


 バリっとヒビが入り、そこから一気に結界が崩れ去る。古めかしい暖炉のある部屋は消え去り、夜闇と共に奴が顔を覗かせる。


「みぃ〜つけた」

「っ…………!」


 メラノが人形を展開し応戦するも一瞬で殲滅されられてしまった。そして私は唯一使える右手を今桐堂に使っている。


「だ、ダメ……!」


 奴はメラノが作った包囲網を突破し、こちらに接近している。だがもう引き返せない。せめて彼だけでも救い出す。


「イヒッ!」

「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」









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