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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
疑惑と焦燥
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眠り姫



「私の人形が壊されちゃった」


 そうして送られてきたのは首をもがれた一体の人形。その断面は鋭利な刃物で切断されたかのようなものだった。


 人形と言えど、コイツらは全員メラノの使い魔のような存在。下手な人間よりも余程脅威なのだが、それを難なく破壊できるとなるとそう多くはない。


 それに、首を斬られた程度で死にはしない。


「二人組の足が映ってたの。多分、片方は……」


 桐堂。


 現場にたどり着くと、人形は変わらず転がっていた。アイツの"気に入った人間には護衛と称して人形に尾行させる癖"がここで役に立つとは。


 通信機代わりに渡された人形に語りかける。


「メラノ、ビンゴよ。予定通り進めて」

『ら、ラジャー!』


 ここの周辺で怪しい箇所と言えば真新しい教会くらいだ。奴らは無駄にプライドが高い。見つかるリスクよりも見栄を優先する。必ず目印が存在する。


 案の定、あの気色悪い目玉のついた卵の紋章が門に堂々と描かれている。


 私1人では少々分が悪いが、隙は必ず生まれる。時間との勝負だ悠長な事は言ってられない。必ず、桐堂を連れ戻す。


 あの時の二の舞にはさせない。


 門を吹き飛ばし、根城に飛び込んだ。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 誰かが呼ぶ声が聞こえる。けど、今日は休日だ。何がなんでも昼まで寝る。


 声が止まない。鬱陶しい。静かにしてほしい。


 この気持ち良さから離れたくない。目覚ましを叩き落とし、さらに深く潜り込む。声が聞こえないように、光が入ってこないように。


 深く、深く、深く。


 声が遠のく。しかしまだ聞こえる。


「おやすみ」


 それだけ言って無視することにした。











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