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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
交差する運命、深みの使者
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オトナリサン





「ここが寮か」


 マンションと見紛う建物を見上げ、思わずそう呟く。武凪士学園に限らず化狩学園都市の高等学校は全て全寮制だ。


プシュッー


 少し緊張しながら自動ドアを通り過ぎ、管理人の居る受付に向かう。


「新入生かい?」

「はい」


見たところベテラン。と、言った感じの男性だ。


「名前は」

「桐堂廻影です」


 名乗ると管理人の男性は何やら機械に入力し、排出されたカードの様な物を僕に手渡す。


「ルームキーだ、無くさない様にな。ああ、あとそれと」

「……?」

「色々と気をつけるんだぞ、にぃちゃん」

「は、はい。ありがとうございます」


 最後の一言の意味がよく分からなかったが、とりあえず一礼して奥に進む。するとまたガラス張りのドアに突き当たった。


「これか?」


 先程受け取ったばかりのルームキーを近くの挿入口に入れるとドアが開き、ルームキーは返却される。


「(確か、405だったか)」


 ルームキーには405と記されている。恐らく、僕の部屋番号だ。

 エレベーターに乗り、4階のボタンを押す。ちょうど誰も居ないのかそのまま4階に到着する。


「(ここか)」


 着いた先の廊下の突き当たり、405の部屋が目に入る。


 早速入ってみる。そこにはあらかじめ学園の方に送っていた私物などが並べられていた。


「さて」


 まず何から手をつけようかと思ったその時、エレベーターのドアが開く。


 部屋から外を覗くと出てきたのはクラスメイトでもある女子生徒、深海だった。


「………」


 無言でこちらに向かって来る。その様子が何処と無く不気味で、教室の時とは何か違う様な視線に圧迫感を感じ、僕は後退りする。


「(なんだ、この感じ……)」


 バクバクと警笛を鳴らす様に鼓動が激しくなる。


 しかし、深海は手前で曲がりそこの部屋にカードを差し込む。そして


「これから宜しく」


 静かにそう言って部屋に消えていく。緊張の糸が切れた僕はその場でへたり込むのだった。










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