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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
疑惑と焦燥
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悪鬼羅刹

「……何のつもりだ」


 睨みつけながら目の前の人物にそう問いかける。


 クラスメイトであり、今まさに僕に向かって故意に銃撃した人物。大江山だ。


「勝負しようぜ、優等生。俺とお前でな」

「断る」


 本物のハウンドを使った個人の意思による生徒同士の対人戦は学園祭以外では禁止されている。


 先に攻撃したのは相手だが同類、同じ土俵に立つつもりは無い。


「誰も見てねーんだから大丈夫だぜ?ほら、やり返してこいよ」


 大江山の言う通り本来ならこのタイミングで大江山は強制ログアウトさせられても不思議では無い。だと言うのに警告すらない。だが


「断ると言っている」


 そんな安い挑発に乗ってたまるか。内心ほくそ笑みながらいつでもまた攻撃されても防げる様にロッカを構える。


 深海の特訓で多少は強くなった。こんなバカをあしらうくらいしてみせる。


「やれるものならやって見ろ」

「そうかい。んじゃ遠慮なく」


 次の瞬間、大江山の姿が消える。


「っ!?」


 そして、一瞬反応が遅れる。


「こっちだ優等生っ!」

「ぐはっ!?」


 横っ腹に強烈な一撃を受け、吹き飛ばされる。そして、そばにあった木に激突する。


「ガハッ」


 甲本と同じパワータイプの戦闘スタイル。しかし、それだけじゃない。


 既に回り込んでいた大江山は僕の足を掴むと勢いよく地面に叩きつける。


「(パワー、スピード。両方桁違いだ・・・!)」


 そこで、あるものに気づく。

 大江山の額、頭髪の生え際あたりに突起物の様なものが。


「(鬼人、か……!)」


 振り下ろされる剣を間一髪で躱し、なんとか起き上がる。


鬼人(きじん)

亜人族の一種で、パワーが桁違いなことが特徴。そのかわり、肥大した筋肉の重みでスピードはあまり無い。


 しかし、大江山の体型はシャープ。


「(唯一と言って良い弱点が無くなっているという事か)」


 これは、マズい。適当にあしらってさっさと今日の目標を達成しようと思っていたが、自分の力を過信し過ぎた。


 そして、大江山の力量を見誤っていた。ただの暴力に取り憑かれたガキだと。


 間違いない。コイツは深海と同じ強者だ。









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