深まる少女の謎
「はああああっ!」
気合いと共に剣を振り下ろす。
朝の鍛錬は無かったが夕方の鍛錬はいつも通りやるとの事。
「脇が甘い」
「ぐぅっ!?」
しかし、振り下ろされた剣は命中する事なく受け流され、無防備になった顎を蹴り上げられる。
「まだ敵わないな」
力の差が有りすぎる。
深海に稽古をつけてもらうことになって二週間、未だに一撃も入れたことが無い。少しは上達してると思うのだが……
「そんな短期間で追いつかれる方が逆に困るわ」
「それも、そうだな」
漸くなんとか立てる様になり、カーボンブレードを杖代わりにして起き上がる。そこでふと疑問に思った事を口に出す。
「そういえば、深海」
「何?」
「実は僕達より年上だったりするのか?」
「残念だけど、同い年よ。」
幼い頃から鍛錬をしているとしても、ここまで戦い慣れするものなのだろうか。
正式なライセンスが無ければ本物フォリンクリとの戦闘はできない。しかし、その正式なライセンスは少なくともこの学園の様な高等教育を受けた後でないと所得できない様になっている。
そして、メラノさんの存在。
対策部ならそんな制約は無いかも知らない。しかし、彼女は僕達と同じ学年に居るが、年齢は僕達より年上。
だと言うのに、まだ【候補生】だ。
「もう一つだけ、聞いて良いか?」
「何?」
「対策部になるのは結構難しいのか?」
「さっきから何が言いたいのか分からないけど、まあ難しいわね」
「そもそも桐堂、貴方の年齢ではなれないわ。今年ちょうどメラノが受験資格を所得したばかりだし」
「え、じゃあ深m」
深海はどうなんだ?僕のそのセリフを悟ったのか深海は指を僕の口に押し当て
「ナイショ」
そう囁くと、後片付けを始める。
僕は目の前の少女が何者か、益々分からなくなった。




