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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
オートマチック・ファニードールズ
38/108

フォーリン・ダウン



 逃げながら人形を操作するメラノさんに、限界が近づいたきている。いくら亜人といえど、これだけの数の人形にこれだけの動き、相当体力を消耗しているはずだ。


「失礼します、メラノさん」

「え?」


 ヒョイッとメラノさんを抱え上げ、全力で駆け抜ける。


「えっ、あっ、ちょっ!?」

「メラノさんは人形の操作に集中を!このまま飛ばします!」


 無能力者なりに身体を鍛えていたお陰か、メラノさんを抱えた状態でも難なく走り続けられる。体力も深海のお陰で多少は向上している。


 ゴールは目の前。この階段を登り切れば


 その時、階段の1段目に真っ赤な血なような魔法陣が現れる。


「それを踏んで!」


 一瞬立ち止まりそうになるがメラノさんの声に応え、それを力一杯踏みつける。するとフワリと一瞬の浮遊感を感じ、次の瞬間めのまえに扉が現れる。


 背後には階段が。


「ワープ!?」

「今はそれよりも!」


 ハッとして目の前の扉に飛び込む。そこは学園の屋上、本来は立ち入り禁止のエリアだ。


 生き残った人形達は機械兵の侵入をゆるすまいと全員で扉を閉めると抑え込む。僕はメラノさんをそっと下ろすとお互いに相槌を打ち、ロッカを構える。


 扉の向こうでは金属音が鳴り響いている。突破されるのは時間の問題。だが


3



2



1


「今!」


 人形達が散開し、急に扉が開け放たれる。バランスを崩しながら勢いよく飛び出してきた機械兵は避けることも叶わず、足元の魔法陣を踏む。


 直後機械兵は上空数メートル先に飛ばされる。そして、落下する。外しはしない。


「はぁぁぁぁぁぁっ!」


 最大出力でエレミュートを解放したロッカをその首に叩きつける。


「くっ……!」


 回避不可能の渾身の一撃、だが仕留めるには至らない。だが、まだ終わりじゃ無い。勢いよく柵に叩きつけられた機械兵に影が飛び出す。


「ファランクス!」


 まるで針玉のように密集した人形達がその鋭いランスを叩き込む。その強烈な刺突は機械兵を柵ごと吹き飛ばし、真っ暗な奈落の底に突き落とす。


「な、なんとか……なりました、ね……」

「う、うん……」


 この高さから落ちればいくらあの化け物でもただでは済まない。深海が本体を仕留めるまでの時間稼ぎにしては十分すぎるだろう。


 お互い見合わせると、なんだか笑いが込み上げてきた。










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