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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
オートマチック・ファニードールズ
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機械人形




「遅い」


 瞬く間に人食い人形達を切り刻んでいく深海。しかし人形達は斬られても斬られても何事も無かったかの様に平然と立ち上がる。


 それになんだか数が増えている気がする。


「チッ、この間のクソトカゲを思い出すわね」


 あの時はシュミレーター内でホログラムの駆竜がほぼ無限に湧いていた。しかし今回は現実世界、無限湧きはあり得ない。


 悪性エレミュート、死水と呼ばれる毒の塊を人形に叩きつけ、一度距離を取る深海。


「どれがどれかもさっぱりだし、メラノ、貴女何か目印とか無いわけ?」

「ご、ごめんね……」


 そういえばさっき彼女はあの人食い人形を見ての発言を思い出す。


「メラノさん、さっきの人形を混ざってるって言ってませんでした?」

「あ、うん。私の人形の中に何か別のものが入ってるというか、なんというか……」


 中に別のもの。


「(まるで甲本と同じ……)」


 そんな発想が頭に浮かんだその時、うっすらと人形の頭から伸びる糸の様なものが見え始めた。


 注意深く見てなかっただけで、最初からあった可能性も無くはないが、悉く様子がおかしい人形にだけソレが生えている。


「なあ、深海。見えるか?」

「………?何のことかしら?」

「糸だ。メラノさんのコントロールを受け付けていない人形に限って頭から糸が伸びている」

「糸……?ごめんなさい、よく分からないわ」


 どうやら深海には見えないらしい。メラノさんの方を見るが首を横に振られる。しかし


「とにかく目印が貴方には見えるのね?」

「あ、ああ」

「ならやりようはある。その糸が出ている人形を一体ずつでいいわ、照らして」


 照らした瞬間、深海はその人形を真っ二つに切断してしまう。しかし、また新しい人形に糸が移っている。ただ合計は依然変わらない。


「なるほど、本体があってそれがメラノの人形を転々としているわけ。なら……」


 全部まとめてぶった斬る。


 次の瞬間、宣言通り深海は部屋中全ての人形を瞬く間に切り伏せる。


「もう逃げ場はないわよ。大人しく本性を表すことね」


 人形の残骸からズルリと何かが這い出し、そして一箇所に集まり始める。


「成る程、ゴミ虫かと思いきや鉄屑だったわけ」


 現れたのは如何にもロボットと言わんばかりの機械兵だった。


「機械なら遠慮はいらないわね、今度こそバラバラにしてあげる」

「いや、待て深海」


 刀を抜く深海を制止し、辺りを見渡す。


「さっきまでずっと攻撃され続けていたというのに、未だ平然としている。別の所で操作されているはずだ」

「行動不能になるまでバラバラにする……じゃ、ダメね。また次のやつが来るか」


 深海は機械兵をひと睨みすると刀を収める。


「分かった。メラノ」

「え?なに?」

「桐堂を守りなさい。私はこいつの本体を潰しに行く」

「わ、分かった……!」


 そして深海は黒いナイフを形成し、その刀身を握りしめる。


「桐堂も、気をつけなさいね」

「ああ」


 僕の返答に頷くと深海は少しだけ笑う。その直後彼女の姿はまるで幻のように消えていき、そこには深海の手からこぼれたであろう血痕だけが残っていた。


 機械兵も深海の姿を捉えられなかったようで、キョロキョロと辺りを見渡している。


「余所見とは余裕だな!」


 その隙にロッカを呼び出し、その頭部に刺突を喰らわせる。


「行こう!メラノさん!」

「う、うん!」


 怯んだ隙に走り出す。僕たちの仕事はこいつを惹きつけ、深海が敵を仕留めるための時間稼ぎをすること。無論生き延びることも、だ。


「(任せたぞ、深海……!)」









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