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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
オートマチック・ファニードールズ
32/108

肝試し





 放課後


「(…………よし)」


ピーンポーン


 ドアの近くに設置されたパネルに手を触れるとインターホンが鳴り、中の人物の足音が近づいて来る。

 404号室。廊下の突き当たりにある僕の部屋のすぐ隣の部屋だ。


 プシュッ、と扉が開き、中から出てきたのは袖なしのシャツに短パンとラフな格好をした銀髪の少女だった。


「何」

「ちょっと外出しようかと思って……」

「分かったわ」


 命を狙われていると知っていて一人で出歩くほど僕の肝は座っていない。外出する時こそ護衛の彼女を頼らねば。


「ちょっと待ってて頂戴」


 そう言って深海は一度部屋に戻ると、少し経ってからまた出て来る。


 いつもの眼鏡を外して代わりに帽子を被り、長い髪は一本にまとめ、黒い上着を羽織っただけの変装にしてはお粗末な姿だ。そして何故か傘を持っている。夜は雨が降るのだろうか。


「今日は黒髪じゃないんだな」

「貴方は黒の方が好みだったかしら?」

「そ、そういうつもりで言ってない……!」


 慌てふためく僕をさほど興味なさそうに見つめ


「で、何処に行くつもり?」


 深海は閉まったドアにもたれ掛かり、腕を組む。


「それなんだが………まあ、着いてきてくれ」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「はぁ………」


 目的地に着くなり、深海の深い溜息が。


「あのねぇ、桐堂。一応言っておくけれど、私達は便利屋じゃないのよ?」

「分かってる」

「はぁ………」


 「心底面倒だ」と、ばかりに再び溜息をつく深海。


 日の静まった頃、僕達は無人の校舎に来ていた。 


 勿論、目的は謎の生徒【メラノ】さんと、その人形だ。ちなみに話を提供してくれた道尾達とは別の日に行く予定だ。


 別に早い者勝ち感覚で道尾たちを出し抜こうとしているわけではない。あの深海が反応を示したメラノという人物とあの人形の得体の知れない不気味さに危機感を覚えただけだ。


 憂事は先に断っておいたほうが良い。


「………深海、そっちはどうだ?」

「誰も居ないわよ」

「そうか」


 やはり、昼間の校舎と違って怪しげな雰囲気が漂っている。深海には申し訳ないが、夜に一人で出歩く程今の僕が危険な状況は無い。


「そこ、一歩でも前に動いたら監視カメラに映るわよ」

「なっ!?」


 慌てて後退りする。


「全く、何で私ばかりこんな目に……」

「今度は何だ!?」

「別に。独り言よ」

「そうか」


 ひとまず準備は出来た。足音もなく先行する烏川に続いて監視カメラの目を掻い潜って忍び込む。


 捜索開始だ。







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