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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
オートマチック・ファニードールズ
28/108

強制的な自主練



「ふっ!」


 深海から渡されたダミーブレードを振る。あの日、シュミレーションルームで起きた事件。僕は作戦こそ立てたが、ほとんど深海と燕翔寺に助けられてばかりだった。


 自分の無力さを痛いほど感じた。


 ここは寮に備え付けられたトレーニングルーム。学園のシュミレーションルームの様な機能は無いが、部屋は広い。


 だからこういった自主練くらいはできる。


「ふっ!」


 ガチャッという音と共に誰かが入ってくる。


「………」

「先客が居たのね」


 入ってきたのは深海だった。何やら工具箱とシオンを持っている。


「邪魔したわ」

「待って待って待って」


 出て行こうとする深海を止める。流石にこの広さの部屋を独り占めするつもりは無い。


「そう。ならお言葉に甘えて」


 それだけ言って深海はシオンと箱を置き、何やら作業をはじめる。


「シオン、調子が悪いのか?」

「………?いいえ、そんな事はないけれど」

「そ、そうか」


 会話が途切れる。気まずくなって素振りを再開する。


「………どう?ソレ」

「あ、ああ……結構手に馴染むよ」

「そう」


 再び会話が途切れる。が、不思議とこの静かな空間は嫌いじゃない。暫くして深海はシオンを置き、じっとこちらを観察していることに気づく。


「………どうしたんだ?」

「いいえ、貴方は外出とかしなくてよかったのかしらと思って」


 今日は休暇。深海の言う通り他の生徒たちは外出を楽しんだり部屋でゆっくりしていたりする。


「前も言った様に私に声をかけてくれれば、外出も基本的に自由にして良いのよ?」

「ああ、でも……」


 昨日感じた事をありのまま深海に伝えると、彼女の感情の無い顔が一瞬驚いた様に目を見開き、何かに納得した様に頷く。


「……なるほどね」


 そして工具箱からドライバーを一本取り出すと逆手に持って構える。


「っ、なんだ……?」

「前にソレを渡した時、鍛えてあげるって言ったのを思い出したわ」


 そう言って彼女の姿がブレたかと思いにや次の瞬間背後に気配を感じ、咄嗟に前転する。


「私が貴方を鍛えてあげる。それこそあんなゴミムシ風情、相手にならないくらいに」










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