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グレイル・フォース・アイズ  作者: 九六式
秘めた力の片鱗
23/108

初めての実技



 風に黒髪が靡くのを目にする。


「深海」

「!」


 僕の声に彼女は振り返る。


「問題はなさそうね」

「ああ」


 部屋に入る前に握っていたロッカとシオンもしっかり反映されている。そして深海はやはりソードデバイスのハウンドではなく、シオンを握っていた。


「対人戦、ってことは……深海と戦えば良いのか?」

「な訳ないでしょ。大体貴方ハウンドの使い方わかってるの?すぐ放送があるはずよ」


 深海の言う通り、何処からともなく男の声が聞こえる。傘草先生の声だ。気づけば半透明な先生の姿が空に浮かんでいる。


「皆無事に起動できたみたいだな。今日はハウンドの使い方について説明を行う」


 ホログラムの先生はそう言うとソードデバイスのロッカを持つ。その後は安全装置の解除方法や出力の調整など至極丁寧な説明がされ、続いてそのままシオンの説明が始まる。


 どうやら僕様に事前に用意された説明映像の様だ。


 その間、深海はと言うとやはり興味がなさそうにシオンを地べたに置くとあの黒い泥の様な物体、悪性エレミュート死水を剣の様に伸ばし、鞭のようにしならせている。仮想空間でも問題なく使えるか確かめている様だ。


「(いくら流体と言えど、際限なく伸びるってわけではないのか)」


 横目で見ていたが、最大まで伸ばした時は約10メートルと言ったところ。固めて投擲すれば射程こそ伸びるが途中で強度を失い蔵ノ月珈琲で見た時の様に元の液体に戻ってしまう。


「(まぁそんな毒物、物理ダメージが無くなったところで恐ろしいのは変わらないんだが)」


 対策部は誰もかれもこんな馬鹿みたいに強い人達だらけなのだろうか。そしてそんな戦闘のプロたちに護衛される自分という存在。


「(やはり、どう考えても普通じゃない)」


 深海の肩に手を伸ばそうとしたその時。突然深海が振り返り、僕に体当たりをする様に飛び込んでくる。


 思わず身構えた時には僕は空を飛んでいた。


「はぇ?」


 現状を理解する間もなく、地面が迫る。が、直前で止まる。どうやら深海は僕を抱えて跳躍したらしい。


「何か変だと思ったのよね。明らかに私達だけ他の生徒たちと位置が離れ過ぎている」

「え?」

「気づかなかった様ね。私達2人以外はほぼ全員固まってるわ」


 まさか先生が、と言うおうとしたところで言う前から「違う」と否定される。


「アイツは確かにイタズラ小僧だけれど、今の説明は貴方に最低限自衛手段を与える為のもの。恐らく苦し紛れの抵抗といったところかしら」


 そういって彼女は目の前の化け物に向かってシオンを発砲する。化け物はそれを容易く交わすとこちらに向かって飛びかかってくる。


「【駆竜(くりゅう)】……!」


 それはかつて太古の昔に存在したとされる肉食の小型恐竜の様な見た目をしたフォリンクリだった。奴の爪を躱すと深海はシオンの銃床で横っ面を殴る。


 そして、怯んだ隙に銃口を向ける。無慈悲な接射に駆竜は頭を吹き飛ばされる。


 だが刺客はまだ現れる。1匹で敵わないなら数匹で、数の暴力で勝負に来た。その時だ


 青白い炎があたり一面を焼き尽くす。


「桐堂様!深海様!ご無事ですか!?」

「燕翔寺か!」


 深海は再び僕を抱えると1匹の頭を踏み台にして燕翔寺の元へたどり着く。


「お二人とも、こちらへ!」


 そして燕翔寺の先導のもと、洞窟に逃げ込むのだった。






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