09 結果は準備の質次第だと思う。
不幸の風とのいざこざの後、稜姫先輩から雷を落とされ、
委員長からは校内で破壊行為はしないように、と釘を刺され、
教職員方や用務員さん達にも頭を下げて回った。
もちろん烈が他人に頭を下げてストレスが溜まらぬわけもなく、
俺に矛先が向けられ、吊し上げにされた挙句火で炙られた。
このあと地獄の様な責めがあったのだが、それはちょっと話したくないのでスルーという事で。
―1年校舎・風紀委員事務室―
今俺と烈は一年校舎に新設された風紀委員事務室で荷物の整理をしている。
「少し掃除しないか?」
「なんでそんなめんどくさい事するの?」
「なんでって、こんなにホコってたら普通掃除から始めるだろ!」
新設。と言っても部屋が造られたわけではなく、前々からあった部屋を当てられた。
去年まで使っていた風紀委員事務室は教室として、今の一年G組が使用している。
で、風紀委員会が急ごしらえで用意したのが元物置き部屋ってわけだ。
その部屋に烈は掃除もせずに少し荷物を持ち込んだのだ。
「でもさ~ 私は掃除とかはちょっと」
「女の子だろ? 掃除とかは将来必須の技能だぞ」
「大丈夫。相手がしてくれる」
「してくれる。じゃなくて、させる。の間違いだろ」
「別いいじゃんか、それよか窓開けて扇風機でも回してホコリ飛ばそう」
「何言ってんだ。雑巾とかホウキとかで集めるんだよ」
と俺はホウキを投げ渡す。
烈はため息交じりにホウキで床を掃き始める。
どうも乗り気じゃないらしい。
それから数十分後……。
掃除は思いのほかスムーズに進み、清潔感ある部屋へ生まれ変わった。
「あ~ 終わった~」
「烈、まだ荷物の整理が終わってないだろ」
「も~ いや! あと秋人に任せた」
「はぁ~!」
烈は先に運び込んでいたソファーに横になる。
身体を揺すってみても「グゥ~ グゥ~」と私は寝てますよ~ とアピールが返ってくる。
これはもうだめだ。と俺は確信して、一人で運ぶには大変苦労するデスク用の机、少し高そうな椅子、冷蔵庫、エアコン、さらに来客・相談用の机と椅子に本棚と、多種多様な品を俺は一人で日が落ちるまで部屋に運び込んで配置していた。
一通り済んだ所で俺はデスクにつく、自分の名前が書かれた自分のデスク。
なんか少し偉くなった気分だ。
こんな椅子に座るのも始めた出し、なんか、幸せかも。
背もたれにもたれながら俺は睡魔に襲われ、意識は徐々に薄れていった。
今話は閑話です。短いですが、読んで頂いてありがとうございます。
次話では技名的な物を出したいと思っています。